経営者が知るべき、新規開拓の“最悪の一手”と成功への正しい地図 【新規開拓戦略編】

「このままではジリ貧だ。何か新しいことをやらなければ…」

「よし、来期は新規開拓に総力を挙げるぞ!とにかく新しいお客様を見つけてこい!」

会社の未来を憂い、経営者であるあなたがそう号令をかける。その決意は、決して間違ってはいません。しかし、その「新しいこと」の中身を一つ間違えるだけで、会社は成長どころか、むしろ疲弊し、衰退への坂道を転がり落ちていくとしたら…?

この記事は、良かれと思って打った手が、なぜか裏目に出てしまう…そんな「新規開拓の罠」に悩む、すべての経営者とマネージャーのために書きました。

この記事を読めば、なぜあなたの会社の新規開拓が「頑張っているのに儲からない」消耗戦に陥ってしまうのか、その根本原因がわかります。

そして、多くの会社が踏んでしまう「失敗確率99%の“最悪の一手”」を避け、限られたリソースで売上と利益を最大化するための、正しい「戦略地図」を手に入れることができます。

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目次

あの決断は、どこで間違っていたのか…? ~ある印刷会社、三代目社長の告白

ここに、創業50年の歴史を持つ、一社の印刷会社がありました。三代目の社長は、ペーパーレス化の荒波に危機感を募らせていました。「うちが長年培ってきた印刷技術だけでは、もう生き残れないかもしれない…」

彼は、起死回生の一手を打ちます。 「これからはWebの時代だ!我が社もWebマーケティング支援や動画制作サービスを始める!そして、営業部隊は、この新サービスを武器に、とにかく新規の契約を取ってくるんだ!」

しかし、その結果は惨憺たるものでした。

長年、紙とインクの匂いの中で生きてきたベテラン営業たちは、慣れないIT用語に四苦八苦。お客様の前でしどろもどろになり、「印刷のプロだと思っていたのに、何でも屋になったのか?」と、かえって信頼を失ってしまいます。

もちろん、引き合いがゼロだったわけではありません。しかし、舞い込んでくるのは「とりあえず安くホームページを作ってほしい」といった、利益の薄い単発の案件ばかり。

現場は深夜までの作業で疲弊し、利益はほとんど残らない。それどころか、本来の強みであったはずの印刷事業にまでリソースを割けなくなり、古くからのお客様の品質要求に応えられなくなる、という本末転倒の事態に陥ってしまったのです。

会議室で、やつれた社員たちの顔を見ながら、社長は頭を抱えました。 「会社の未来のために、正しい決断をしたはずだった。一体、どこで間違えてしまったんだ…?」

この社長が犯した過ち。それは、努力や情熱が足りなかったことではありません。ただ一つ、進むべき「道順」を、根本的に間違えてしまったことにあるのです。

あなたの会社は大丈夫? 新規開拓における「3つの鉄則」

新規開拓を成功に導く戦略には、絶対に踏み外してはならない「鉄則」があります。それは、華々しい成功法則などではなく、むしろ「これをやったら絶対に失敗する」という地雷を避けるための、極めて地味で、しかし重要な道標です。

1. 【鉄則①】 まず「戦場」を間違えない

先ほどの印刷会社の社長が犯した最大の過ち。それは、「新規事業」と「新規開拓」を同時にやろうとしたことです。これは、戦略上「最悪の一手」と断言できます。

なぜなら、ビジネスには2つの大きな不確実性(=予測できないもの)があるからです。

一つは、「人(顧客)」の不確実性。お客様が何を考え、どう反応するかは、会ってみるまでわかりません。

もう一つは、「モノ(商品)」の不確実性。どれだけ自信のある新商品も、市場に出してみるまで本当に売れるかは誰にもわかりません。

「新しい顧客(予測不能)」×「新しい商品(予測不能)」 この組み合わせが、いかに無謀な賭けであるか、お分かりいただけるでしょうか。

経営者がまず選択すべき、最も賢明で、成功確率の高い一手。それは、「既存の商品(これまでの実績があり、売れるとわかっている武器)」を手に、「新しい顧客(未知だが出会うべき相手)」という戦場に挑むことなのです。これが、新規開拓の揺るぎない大原則です。

2. 【鉄則②】 「数打てば当たる」の幻想を捨てる

「絶対に売れる商品」など、この世には存在しません。もし開発できるなら、世界の大富豪はたった一人になっているはずです。商品を買うのは、気まぐれで、予測不能な「人間」だからです。

だからこそ、新商品をいくつも開発し、「どれが当たるかな?」と試すような戦い方は、体力のある大企業にしか許されません。

しかし、顧客はどうでしょう。あなたの会社の商品を必要としている潜在的なお客様は、この日本に10社や20社どころか、何百、何千社と存在するはずです。

新商品と新規顧客、どちらが「数打ちゃ当たる」という戦法に適しているか。答えは明白です。

売れると実績がお墨付きの「既存商品」という確実性の高い槍を手に、まだ見ぬ多くの顧客の扉を叩く。これこそ、中小企業が取るべき、最も合理的で、最も受注に繋がりやすい戦略なのです。

3. 【鉄則③】 「やらないこと」を冷徹に決める

「戦略とは、何をするかを決めることではない。何をやらないかを決めることだ」 これは、経営の神様、ピーター・ドラッカーの言葉です。新規開拓において、これほど重要な言葉はありません。

例えば、あなたの会社が新規開拓で年間1億円の売上を目指すとします。

  • 1社あたり1,000万円なら、10社と契約すれば達成です。
  • 1社あたり100万円なら、100社と契約する必要があります。
  • 1社あたり10万円なら、実に1,000社と契約しなければなりません。

あなたの会社の営業パーソンが、能動的に動いて、年間1,000社の新規顧客と契約を結ぶ。これがどれほど非現実的か、すぐにわかるはずです。

つまり、戦略とは「よし、うちは平均単価200万円以上のお客様を狙おう。だから、それ以下の引き合いが来ても、丁寧にお断りしよう」と、冷徹な線引きをすることに他なりません。この「線引き」ができていない会社は、どんなに頑張っても利益の出ない小さな案件にリソースを食い潰され、やがて力尽きてしまうのです。

あなたの会社の「戦略地図」、最初のコンパスを定めよう

さて、ここまで読み進めていただいた経営者のあなたに、一つだけ、宿題を出させてください。

今すぐ、目の前にある紙とペンを取ってください。 そして、この問いに、たった一つだけ、数字を書き込んでみてください。

「来期、我が社が新規開拓で獲得したいお客様1社あたりの、理想の平均受注単価は、いくらですか?」

その数字が、荒波を乗り越えるための、あなたの会社の「戦略地図」における、最初の、そして最も重要なコンパスの針路となります。

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「誰を、どう攻めるか?」を描く、本当の戦略策定

「理想の平均単価は決まった。しかし、その単価が見込める優良顧客は、一体どこにいるんだ?」 「そして、その手ごわい相手を、どうやって攻略すればいいんだ?」

その「誰を」「どうやって」攻めるかという具体的な戦術設計こそ、トレテクの専門分野です。 あなたの会社の強みである「既存商品」を、最も高く評価してくれるのは、どんな業界の、どんな規模の、どんな課題を抱えた会社なのか。そして、その会社にアプローチするための、最も効果的なシナリオとは何か。

もし、あなたが本気で会社の未来を変えたいと願うなら。 もし、社員の努力を無駄な消耗戦で終わらせたくないと心から思うなら。 ぜひ一度ご相談ください。

あなたの会社の限られたリソースを、最も確実な成果に繋げるための「新規開拓の戦略地図」を、一緒に描かせていただきます。

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また、日々の営業活動のヒントや、コンサルティングの現場からの気づきなどを、Instagramでも発信しています。こちらも、ぜひあなたの会社の戦略立案の参考にしてください。

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あなたの会社が、正しい地図を手に、確かな一歩を踏み出すお手伝いができることを、心から楽しみにしています。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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トレテク代表 久保埜 実(くぼの みのる)
セールスパーソン戦力化コンサルタント
【著者プロフィール】

医療系企業の営業職として従事しながら、“セールスパーソン戦力化コンサルタント”として、東京都八王子市と日野市を中心に事業を展開。
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