テレアポで『ガチャ切り・受付ブロック』を突破するための、3つの心構えと5大技術【後編】

「あー、それ、資料送っといて。見とくから」

「ごめん、今ちょっと忙しいから!手短にお願い!」

営業電話をかけた際、こんな風に言われてしまい、結局「また改めて…」と電話を切り、その「改めて」が二度とやってこない…。そんな悔しい経験に、あなたの会社の営業チームは悩まされていませんか?

この記事は、【前編】に続き、テレアポの「よくあるお断り文句」に心を折られかけている営業担当者、そして彼らを指導し、なんとか売上を上げたいと願う経営者やマネジャーの皆様のために書きました。

この記事を読めば、「資料送っといて」「忙しい」といった典型的な“お断り”が、実は受注に向けた最大のチャンスであること、そしてそのチャンスを掴むための具体的な切り返し術が分かります。

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目次

なぜ、あなたの営業は「資料送っといて」で終わるのか?

テレアポで最も多い「断り文句」が、何を隠そう「資料、送っといてください」です。

経験の浅い営業担当者は、これ幸いと「ありがとうございます!すぐにお送りします!」と元気よく電話を切り、心を込めて資料を送ります。しかし、そのメールが開かれることはなく、もちろん返信もありません。

それもそのはず。この言葉は、お客様の本音ではありません。 多くの場合、「資料送っといて」という言葉は、「これ以上、あなたの話を聞く時間はない」という、双方が暗黙の了解で使う“丁寧なお断りのサイン”なのです。

お客様側も「資料を見て検討します」と言えば角が立たないと思っていますし、営業側も「資料を送る」というタスクを完了すれば、上司に「(断られたけど)一応、資料送付まではやりました」と報告ができる。

両者にとって都合のいい「断り文句」ですが、これでは1円の売上にも繋がりません。

また、「今忙しいから!」と早口で言われると、多くの営業は焦ってしまいます。相手の速いペースに巻き込まれ、自分も早口でまくし立て、サービスの魅力を詰め込もうとします。 「実は弊社、6年連続No.1でして、今だけのキャンペーンを…!」 「ガチャ…(ガチャ切り)」

これでは、どんなに良いサービスも、相手の心に届く前にシャットアウトされてしまいます。 では、トップセールスたちは、この「お断りの壁」をどう乗り越えているのでしょうか?

トップセールスが実践する「お断り」突破の5大技術

テレアポとは、いわば「反射との戦い」です。お客様は、営業電話がかかってくると、「熱い!」と感じたら手を引っ込めるのと同じくらい「反射的」に断ろうとします。

この反射をいかに防ぎ、相手の「思考」の領域にボールを投げ込むか。ここでは、ップ営業マンが実践する5つの技術をご紹介します。

技術1:「営業電話ですか?」には“準備”で返す

  • 結論:【前編】のおさらいですが、嘘をつかず「はい、営業です」と堂々と答える。
  • 理由:この一言に「うっ…」と言葉が詰まるのは、自分でも「この電話は相手の役に立たないかも」と不安な証拠。つまり「準備不足」だからです。
  • 一歩目:電話をかける前に、「なぜ、数ある会社の中で“あなた”に電話したのか」を明確に言語化しておく。

「営業電話ですか?」と聞かれて自信を持って「はい!」と答えるためには、「この電話は、御社にとって絶対に価値がある」という確信が必要です。

その確信はどこから来るのか? 「準備」です。

例えば、手元に120社のリストがあるなら、120社すべてに「御社だけの提案をお持ちしました」と言えるくらい、相手のことを調べ抜く。

「御社のプレスリリースを拝見し、今まさにAIコンサルの事業を伸ばされていると知りました。その成長を加速させる人材採用の件で、必ずお役に立てると確信し、ご連絡しました」

ここまで準備してあれば、「営業ですか?」という質問は、むしろ「待ってました!」というチャンスに変わります。「はい、御社のためのご提案です!」と、自信を持って言えるはずです。

技術2:「今忙しい!(早口)」には「スローペース」で返す

  • 結論: 相手が早口でも、絶対にペースを合わせない。あえて「ゆっくり、ゆったり」話す。
  • 理由: 相手は「早く切りたい」という反射状態で、思考が停止しています。同じペースで話すと、そのまま反射的に切られてしまいます。
  • 一歩目: 相手が「忙しい!」と言ったら、「左様でございますか。(一拍置いて) お忙しい中、お電話出ていただき、ありがとうございます」と、あえてゆっくり感謝を伝える。

これは、場の主導権を取り戻すための高度なテクニックです。

考えてみてください。議論がヒートアップしている時、一人が「まあ、一度落ち着いてください。何が問題ですか?」とゆっくり話すだけで、場の空気が変わりませんか?

電話も同じです。 「ごめん、今急いでるから!」 「(早口で)あ、すいません!実はですね!」 これでは、相手の「切りたい」という流れを加速させてしまいます。

「ごめん、今急いでるから!」 「(ゆっくりと)左様でしたか。ありがとうございます。…ただ、今回我々がお持ちしたご提案は、ぜひとも自信を持っている内容ですので、噛しめてお届けしたいと思っております。ほんの少しだけ、お時間よろしいでしょうか?」

この「ゆっくりとした間」が、相手の反射的な行動にブレーキをかけ、「ん?なんだ?」と一瞬だけ思考させるキッカケを作るのです。

技術3:「あと5分で会議」には「時間厳守」で返す

  • 結論: 相手の時間を正確に守る姿勢を見せ、その場での契約より「信頼」を勝ち取る。
  • 理由: 無理にアポを取ろうとすると「時間を守らない営業」と認識され、関係が切れるから。
  • 一歩目: 【前編】でも紹介したように、「5分ですか。では移動もありますよね。2分だけお願いします」と、相手の状況を先読みし、ストップウォッチで測る。

これは、相手の属性によって使い分ける必要があります。 もし相手が中小企業経営者本人で、「今から社内会議」程度であれば、「その会議より、今お話しする内容の方が重要かもしれません」と、あえて時間を延長してもらうチャレンジも有効です。

しかし、相手が大企業の担当者で、その会議が重要なものである場合、時間を守る方が賢明です。

前編のお話では、キーパーソンが「5分で会議」と言った際、「2分だけ」と約束し、きっちり2分で「お時間です。続きは改めていかがですか?」と切り出しました。

この「時間を守る」という誠実な行動が、「この営業は信頼できる」という印象を与え、結果として「じゃあ、携帯番号教えるよ」という、次につながる最強の武器(直通番号)の獲得に成功したのです。

技術4:最難関「資料送っといて」には「質問」で返す

  • 結論: 「はい、送ります」と即答せず、「お役に立てる資料にしたいので」と質問で切り返す。
  • 理由: 先述の通り、「資料送っといて」は9割が“断り文句”。そのまま送っても売上に繋がらないからです。
  • 一歩目: 「承知いたしました。ただ、一般的な資料をお送りしてもご迷惑かと思います。御社にとって最適なご提案資料にしたいので、よろしければ3つだけご状況を伺ってもよろしいですか?」と尋ねる。

「資料を送る」というボールを、相手の「課題を聞き出す」というボールに投げ変えるのです。

前編のお話でも、キーパーソンから「1回資料を送って。よければ話聞くよ」と言われました。 しかし、営業はこう切り返しました。

「ありがとうございます。ただ、お送りできるのは弊社の取り組み資料になってしまいます。それよりも、先ほどおっしゃっていた『〇〇計画』のご相談や、他社様の成功事例をお話しする方が、お役に立てるかと思うのですが…」

見事です。「資料送付」という“作業”を、「採用計画の相談」という“商談”にすり替えています。

お客様が欲しいのは、会社のパンフレットではありません。自分たちの課題を解決するヒントです。 「資料を送れ」と言われたら、「最高の資料を作るために、あなたの課題を教えてください」と質問で返す。これが、受注への最短距離です。

技術5:「ガチャ切り」は「準備」で防ぐ

  • 結論: 一方的な商品説明をやめ、「Why You, Why Now(なぜ今、あなたに)」を冒頭15秒で伝える。
  • 理由: ガチャ切りは、相手が「自分に関係ない」と判断した瞬間に起きます。
  • 一歩目: 電話の第一声で、「(自己紹介)…実は本日、御社のHPで拝見した〇〇の件で、〜という点でお役に立てると確信し、お電話いたしました」と、“あなたに”電話した理由を明確に告げる。

最悪のガチャ切り誘導トークは、「弊社は6年連続No.1で、今一番人気の商品がありまして…」という自分語りです。相手は「(知るか!)」と思い、受話器を置きます。

一方で、できる営業は、2回目の電話の際に相手の状況を深くヒアリングし、相手がポロッと口にした独自の言葉を拾い上げることができました。

そして、その後の提案では、「その『〇〇(独自の言葉)』の件ですが…」「御社の採用ポイントである『顧客思考』『柔軟性』『論理性』を持った人材を確保するには…」と、徹底して相手の言葉を使って会話を組み立てました。

ここまで自分ごととして話をされれば、ガチャ切りなど起きようがありません。 相手を調べ、相手の言葉を使い、「これは、あなたのための電話です」というメッセージを明確に伝えること。それが、ガチャ切りを防ぐ唯一にして最強の方法です。

まずは「リストを消費する営業」をやめてみませんか?

後編では、テレアポの現場で頻発する「お断り文句」への具体的な対処法を見てきました。

大切なのは、テクニック以前のスタンスです。あなたの会社の営業は、テレアポを「リストを上から順に潰していく“消費活動”」だと思っていないでしょうか?

テレアポの本質は、「繋いでいくこと」であり、「関係性を構築していくこと」です。

BtoBの契約は、タイミングが全てです。お客様が「今すぐ欲しい」タイミングで電話できることなど、奇跡に近い。しかし、今は不要でも、会社の予算や方針が変わり、半年後に必要になることは往々にしてあります。

その「半年後」のタイミングを掴むためには、お客様と「繋っておく」こと、連絡が取れる関係性を維持しておくことが不可欠です。

今日アポが取れなくても、「時間を守る誠実な営業だったな」「うちの会社のこと、よく調べてくれてたな」という“信頼”さえ残すことができれば、それは「消費」ではなく、未来の売上に繋がる「構築」になるのです。

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📞その“お断り”、チャンスに変えられます

  • 「資料送っといて」と言われ、送ったきり返信がない…。
  • 「忙しい」という相手のペースに巻き込まれ、言いたいことが伝わらずに切られてしまう…。
  • なぜかガチャ切りが多く、営業チームの士気が下がっている…。

もし、あなたの会社がそんな「リストを消費するだけ」の営業から脱却し、お客様と信頼関係を「構築」し、然るべきタイミングで確実に受注できる強いチームを作りたいと本気でお考えなら、ぜひ一度ご相談ください。

トレテクでは、その場しのぎのテクニックではなく、お客様の「タイミング」を逃さず、長期的な売上に繋げるための本質的な営業戦略とコミュニケーションの仕組み作りをサポートします。

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トレテク代表 久保埜 実(くぼの みのる)
セールスパーソン戦力化コンサルタント
【著者プロフィール】

医療系企業の営業職として従事しながら、“セールスパーソン戦力化コンサルタント”として、東京都八王子市と日野市を中心に事業を展開。
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