売上と美学を両立させる「ポリシー加工」という思考法で、信念を磨き上げる

「もっと売上を上げるには、この商売に手を出すべきか…でも、自分の信念に反する…」

「結果を出せと社会は言うが、こんなやり方で契約を取るくらいなら、貧しい方がマシだ…」

「でも、社員や家族のことを考えると、そんな綺麗事ばかりも言っていられない…」

事業を率いる経営者やマネジャーであれば、誰もが一度は「結果」と「ポリシー」という、二つの巨大な力の板挟みになり、身動きが取れなくなった経験があるのではないでしょうか。

右に行けば、短期的な売上という甘い果実。左に行けば、自分が信じる「美学」という孤高の頂。その分岐点で、あなたはどちらの道を選びますか?

この記事は、そんな出口のない葛藤に一人で悶々とし、特に中小企業の経営者の方々のために書きました。

この記事を読めば、なぜ多くの人がこの問題でつまずくのかが分かり、「結果か、ポリシーか」という二者択一の呪いから解放されます。そして、あなたの会社の“信念”を守りながら、したたかに売上を伸ばしていくための、極めて実践的な思考法を手にすることができます。

著者プロフィール

貴社の営業力を飛躍させる「実践型」コンサルタント

ベンチャー・大企業合わせて約20年以上営業現場経験を武器に、貴社に再現性のある「売れる仕組み」を構築します。

現在も営業職として現場の泥臭さを経験しているからこその営業視点を強みとして、座学研修のほか、今日からすぐに使える実践的なノウハウで、特に商談・プレゼン力の向上に貢献します。

「売上を伸ばしたいが、何から手をつければ…」とお悩みの経営者・営業部長様へ、実践型コンサルティングで、貴社の営業チームを強化し、確かな成果へと導きます。

目次

孤独な社長室 ~ “信念を売る”決断を迫られる夜

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深夜の社長室。デスクの上には、ある事業計画書が置かれています。それに手を付ければ、来月の資金繰りは格段に楽になるでしょう。苦労している社員たちに、十分なボーナスを渡せるかもしれません。家族を旅行に連れて行くことだってできる。

しかし、その商売は、どこか“きな臭い”。あなたがこれまで大切にしてきた、顧客との誠実な関係性を根底から揺るがしかねない、グレーな手法が散りばめられています。

「これをやれば、会社は救われる。でも…」

その「でも」の後が続きません。脳裏に浮かぶのは、創業当時に「世の中をこう良くしたい」と熱く語っていた、若き日の自分の顔。そして、そんなあなたを信じてついてきてくれた、社員たちの顔。

「彼らは、こんな商売をする俺の姿を見たいだろうか?」 「俺はいったい、何のためにこの会社を始めたんだ…?」

結果を取るか、ポリシーを貫くか。この究極の問いに、答えは出ません。ただ時間だけが過ぎていき、やがて東の空が白み始める…。これこそ、多くの経営者が経験する、孤独で過酷な“せめぎ合い”の正体ではないでしょうか。

なぜ、あなたは迷うのか? 多くの大人が陥る「バランス」の罠

この「結果 vs ポリシー」問題で、迷いが生じない人たちもいます。

一方は、「結果がすべて。手段は問わん」と、結果に100%振り切る人。彼らは、結果を出すこと自体が自分のポリシーであり、幸せだと信じている。そこに迷いはなく、ある意味で清々しい。

もう一方は、「結果は二の次。自己満足が一番」と、ポリシーに100%振り切る人。彼らは、自分のこだわりや価値観を全うできるなら、たとえ評価されなくても、お金がついてこなくても構わないと考えている。これもまた、一つの生き方です。

問題は、この両極端の間にいる、我々のような“普通”の人間です。結果も欲しい。でも、ポリシーも捨てたくない。この「両取り」をしようとするからこそ、深刻な悩みと葛藤が生まれるのです。

そして、このバランスを取ろうとして、多くの人が“悪いバランス”へと陥ってしまいます。

悪いバランス①:ポリシーを「ただのワガママ」にしてしまう

「俺は、このやり方でやりたいんだ!」と、自分のこだわりを声高に叫ぶ。しかし、その主張が、会社の売上や成長といった「結果」にどう繋がるのかを、まったく見ていない。 これは、ポリシーではありません。

ビジネスの世界では、単なる「子供のワガママ」と見なされます。「ハンバーグが食べたい!」と駄々をこねる子供と同じです。趣味でやっているならまだしも、社員の生活を背負う立場の人間が、この状態に陥るのは非常に危険です。

悪いバランス②:結果に信念を売り、「しょぼい大人」になる

もう一つはもっと深刻です。かつては持っていたはずの熱いポリシーを、結果を出すために限りなくゼロにしてしまう。そして、心の奥ではポリシーを捨てているにもかかわらず、周囲には「俺は信念を持ってやっている」という“フリ”をする。

こういう人間は、すぐに分かります。話していても、味がない。魅力がない。そして何より、本当に信念を持って生きている人間は、こういうタイプを本能的に見抜き、「あいつは、そっち側に行ったやつだ」「話していても、おもんない」と、静かに距離を置くのです。

あなたは、そんな「しょぼい成功者」になりたいですか?

結果と美学を両立させる「ポリシー加工」という技術

では、どうすればこの状態を抜け出し、結果とポリシーを高い次元で両立できるのでしょうか。答えは、「どちらかを取る」でも「中途半端に混ぜる」でもありません。

それは、「純粋な自分のポリシーを、したたかに“加工”する」という、第三の道です。

これは、自分の信念に嘘をつくこととは、全く違います。むしろ、自分の信念という“核”を守り抜くために、その周りの部分を戦略的に作り変える、極めて高度な技術なのです。

1.「加工の順番」を間違えない

多くの人が、「こうすれば儲かるらしい」という結果(HOW)から物事を考え、そこに「自分のポリシーはこうだ」と後付けで理由を探します。これでは、先ほど述べた「しょぼい大人」になるだけです。 順番が逆なのです。

まず、あなたの内なる声、譲れない美学、ピュアなポリシー(WHY)がある。それを、どうすればビジネスという現実世界(結果)と両立させられるか、という視点で、自らのポリシーの方を少しだけ「加工」しにいくのです。

スタート地点は、常にあなた自身の心でなければなりません。

2.「加工のセンス」を磨き上げる

この「加工」には、センスが問われます。 例えるなら、生け花のコンクールです。

あなたの目の前には、自分のこだわりや美学が詰まった、渾身の作品があります。しかし、審査員(=市場)は、「もっとシンプルな作品」を好むという情報が入ってきました。

センスのない人は、ここで慌てます。「シンプルなものが評価されるのか!」と、作品の根幹をなす、最も重要な花を引っこ抜いてしまう。

結果、評価はされるかもしれないが、それはもはや自分の作品ではなく、魂の抜けた抜け殻です。これは、自分のポリシーの“核”まで加工してしまった、最悪のパターンです。

センスのある人は、違います。彼は作品全体を静かに見つめ、こう考えます。「この作品の魂は、この中央の松の力強さだ。これは絶対に動かせない。だが、この周りにある葉を一枚、二枚と刈り取ることで、より松の存在感が際立ち、結果的にシンプルに見えるのではないか?」

彼は、作品の“核”は一切いじりません。その代わり、どの“周辺部分”を削れば、自分の美学を守りながら、市場の評価という「結果」も得られるか、そのギリギリのライン(=最大公約数)を探り当てるのです。

そして、そうやって出来上がった「加工後の作品」を、彼は「これこそが、今の俺の最高傑作だ」と、心から信じることができるのです。

3.「短期の結果」に惑わされない

ポリシーの加工は、極めて慎重に行うべきです。目先の売上や、ちょっとした評価のために、大切なポリシーを安売りしてはいけません。そんなことをすれば、あっという間に自分の立ち位置を見失います。

この加工を行うのは、あくまでも「中長期的に、自分の理想とする会社や世界を実現するため」という、揺るぎない目的がある時だけです。

短期的な結果のために行う加工は、ただの「迎合」であり、あなたの魂をすり減らすだけです。

「お前の仕事、酒は美味くなるのか?」

仕事は、耐久戦です。特に経営者という孤独なポジションは、何十年と続く長い旅路です。その旅路を、お金や数字、評価といった「結果」だけで走り続けることができるほど、人間は強くありません。

どこかで必ず、息切れします。 「俺は、何のためにこんなことをやっているんだ?」 その時、あなたを支えてくれるのは、結果ではありません。自分で自分を納得させられるか、自分の仕事に誇りを持てるか、という「自己満足」や「自己肯定感」です。

それがあれば、たとえ苦しくても、また明日も頑張れる。そして、そんな風にして手にした結果で飲む酒は、きっと格別に美味いはずです。

あなたが今、向き合っているその仕事は、未来のあなたを裏切りませんか? その仕事で手にした成功で飲む酒は、きっと美味しくなりますか?

その問いに、胸を張って「イエス」と答えられる道を選ぶこと。それこそが、中年以降の我々に求められる、本当の意味での「強さ」なのかもしれません。

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あなたの会社には、社員が誇れる“信念”がありますか?

短期的な売上を追い求めて魂を売った会社は、やがて魅力のない人間の集まりとなり、静かに衰退していきます。 一方で、崇高なポリシーを掲げながら、したたかに受注を勝ち取り、成長を続ける会社には、優秀で、志の高い人材が自然と集まってきます。

あなたは、どちらの会社を作りたいですか?

もし、

  • 社員が自社の仕事に誇りを持ち、イキイキと働く組織文化を醸成したい…
  • 「結果」と「理想」のジレンマを解消し、経営者自身が迷いなく前進したい…
  • 顧客から愛され、社会から尊敬され、10年、20年と永続する強い会社を作りたい…

と、本気でお考えの経営者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。

トレテクは、単なる営業コンサルティングではありません。企業の“信念”であるポリシーを言語化し、それを売上と両立させるための戦略を描き、組織全体に浸透させる、その道のプロフェッショナルです。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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トレテク代表 久保埜 実(くぼの みのる)
セールスパーソン戦力化コンサルタント
【著者プロフィール】

医療系企業の営業職として従事しながら、“セールスパーソン戦力化コンサルタント”として、東京都八王子市と日野市を中心に事業を展開。
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