「費用対効果は?」と責められる商談が激変!数字より大切な信頼で受注を掴む方法

「このシステムを導入したら、具体的にいくら儲かるの?」

「過去の事例から、確実な費用対効果(ROI)をシミュレーションしてよ」

商談が終盤に差し掛かったとき、経営者や決裁者からこのように言われて、背中に冷や汗が流れた経験はありませんか?

「正直、やってみないと分からない部分もあるんだけどな……」

「お客様の頑張り次第で成果なんて変わるのに、確約なんてできないよ……」

心の中でそうつぶやきながら、夜な夜なエクセルを叩き、なんとなくそれっぽい数字を並べた「皮算用」の資料を作成する。しかし、それを提出してもお客様の反応は鈍く、「うーん、本当にこうなるの?」とさらに突っ込まれ、結局契約に至らない。

もしあなたが今、このような「数字の壁」にぶつかり、売上が伸び悩んでいるとしたら、この記事はあなたのためのものです。

実は、「費用対効果を知りたい」というお客様の言葉を額面通りに受け取り、数字で説得しようとすること自体が、営業における大きな落とし穴なのです。

この記事を読めば、なぜお客様がしつこく費用対効果を求めてくるのかという「深層心理」を理解し、無理な数字を作ることなく、お客様の不安を「信頼」に変えて受注を勝ち取るための、本質的な営業技術が手に入ります。

目次

その「費用対効果」の説明、実は逆効果になっていませんか?

よくある「真面目な営業マン」の失敗パターン

少し想像してみてください。あなたは中小企業の経営者向けに、業務効率化のツールを提案しています。商談の雰囲気は悪くありません。「これは便利そうだね」と興味も持ってもらえました。

しかし、クロージングの段階で相手の顔色が曇ります。

「で、これ入れたら何時間削減できて、人件費換算でいくら浮くの? 君の会社の実績ベースで保証できる?」

ここで、真面目な営業マンほどこう考えてしまいます。

(やばい、論理的に証明しなきゃ! 完璧なシミュレーション資料を作って、数字で納得させないと!)

そして、必死になって「月間20時間の削減効果!半年で回収可能!」といった資料を作り込みます。しかし、提出した瞬間に言われるのです。

「でもこれ、ウチの社員が使いこなせなかったら絵に描いた餅だよね?」

「この前提条件、ウチの業界だとちょっと違うんじゃない?」

出せば出すほど、粗を探される。

説明すればするほど、「売り込み」だと思われて心の距離が離れていく。

なぜ、こんなことが起きるのでしょうか?

それは、お客様が求めているのが「正確な数字」ではなく、別のものだからです。

そもそも「確実な効果」なんて約束できますか?

冷静に考えてみましょう。

金融商品で「絶対に儲かります」と言えないのと同じで、どんなに優れたビジネス商材でも「絶対にこれだけの効果が出ます」と保証することは不可能です。

例えば、ダイエットのライザップであっても、本人が隠れて暴飲暴食をすれば痩せませんよね。ビジネスも同じです。ツールを入れても、現場が使わなければ効果はゼロ。コンサルを入れても、実行しなければ売上は上がりません。

つまり、成果が出るかどうかは「お客様次第」という側面が必ずあるのです。

それなのに、営業マン側だけで「絶対の効果」を証明しようとすること自体に、最初から無理があるのです。

お客様が本当に求めているのは「数字」ではなく「安心」

では、なぜお客様は無理難題とも言える「費用対効果」を求めてくるのでしょうか?

その正体を解き明かす鍵は、行動経済学の「プロスペクト理論」にあります。

人は「得したい」より「損したくない」生き物

プロスペクト理論を簡単に説明すると、「人間は、利益を得る喜びよりも、損失を被る痛みを2倍以上強く感じる」という理論です。

つまり、お客様が「費用対効果はどうなってるんだ?」と聞いてくるとき、彼らの頭の中にあるのは

「これを入れたらどれだけ儲かるかワクワクするなあ!」

というポジティブな感情ではありません。その真逆です。

「これにお金を払って、失敗したらどうしよう……」
「効果が出なくて、社内で責任を問われたら嫌だな……」
「騙されて、損をするのだけは絶対に避けたい!」

という、強烈な「恐怖」と「不安」なのです。

この不安を打ち消したくて、すがりつくような思いで「費用対効果」という言葉を使っているに過ぎません。

それなのに、営業マンが「論理的な数字」だけで返そうとすると、お客様の「感情的な不安」は置き去りにされたままになります。これでは、いつまで経っても契約のハンコは押されません。

鍵を握るのは「寛容度」という概念

ここで、少し視点を変えてみましょう。

完璧な費用対効果の説明ができなくても、受注を決めてくるトップ営業マンがいます。彼らは何をしているのでしょうか?

彼らは、お客様の「寛容度」を高めているのです。寛容度とは、文字通り「許してくれる度合い」のこと。

「まあ、ビジネスだから絶対はないよね」
「多少のリスクはあるかもしれないけど、あなたなら任せてみようかな」

と思ってもらえる心の広さ、と言い換えてもいいでしょう。

この「寛容度」が高まっていれば、お客様はいちいち細かい数字の根拠を求めてきません。「費用対効果? まあ、やってみないと分からない部分はあるけど、この人の提案なら大きく外すことはないだろう」と、リスクを受け入れてくれるようになるのです。

逆に、寛容度が低い状態だと、お客様はまるで取り調べ官のように厳しくなります。「1円の損もしたくない」という心理が働き、重箱の隅をつつくような質問を繰り返し、最終的には「検討します」という言葉で逃げてしまいます。

つまり、営業がやるべきことは、徹夜でシミュレーション資料を作ることではなく、お客様の心の中にある「営業への寛容度」を極限まで高めることなのです。

「論理」ではなく「信頼」で売るための3つのステップ

では、具体的にどうすればお客様の寛容度を高め、費用対効果の呪縛から解放されることができるのでしょうか? 明日から使える3つのステップを紹介します。

① 「損したくない」という感情に寄り添う

  • 【結論】 数字で反論せず、まずは不安を肯定する。
  • 【理由】 相手の根源的欲求は「利益」ではなく「損失回避」だから。
  • 【一歩目】 「失敗するのが一番怖いですよね」と代弁してみる。

いきなり「ROIは200%です!」と言うのはやめましょう。それは相手の恐怖を無視しています。

まずは、「新しいものを導入するときって、本当に効果が出るか不安になりますよね。もし失敗したらどうしようって思うのは当然です」と、相手の「損したくない気持ち」に深く共感してください。

「私の気持ちを分かってくれている」と感じた瞬間、お客様の敵対心は薄れ、味方としての信頼が芽生え始めます。これが寛容度を高める第一歩です。

② 「信頼の貯金」をコツコツ貯める

  • 【結論】 提案以外の部分で「貸し」を作る。
  • 【理由】 人は「恩」を感じている相手には寛容になるから。
  • 【一歩目】 頼まれていない役立つ情報を一つ提供する。

「信頼の貯金」という言葉をご存知でしょうか?

商談というのは、いきなり成立するものではありません。日々のコミュニケーションの中で、「この人はちゃんとしている」「いつも役に立ってくれる」というプラスの感情が貯まっていくものです。

例えば、

  • レスポンスを驚くほど早くする。
  • 商談とは関係ないけれど、お客様が興味を持ちそうな業界ニュースを送る。
  • お客様の競合他社の動きを調べて教えてあげる。

こうした小さな「GIVE」の積み重ねが、お客様の心の中に「あなたに対する信頼残高」を築きます。

この残高が十分に貯まっていれば、いざクロージングの段階で少しくらい不確定な要素があっても、「まあ、〇〇さんがここまでやってくれたんだから、信じてみよう」という心理(=高い寛容度)が働くのです。

③ 「ミス」を許容できる関係を目指す

  • 【結論】 完璧な人間を演じすぎない。
  • 【理由】 弱みを見せることで、心理的な壁が取り払われるから。
  • 【一歩目】 「実はここだけの話、懸念点もありまして」と正直に話す。

文字起こしの中にもありましたが、例えば見積もりに小さなミスがあったとします。

寛容度が低いお客様なら、「金額を間違えるなんて失礼だ!信用できない!」と激怒し、破談になるでしょう。

しかし、信頼貯金があり、寛容度が高いお客様なら、「まあ、人間だものミスはあるよ。修正してくれればいいから」と笑って許してくれます。

この関係性を目指すには、良いことばかり言わないことが重要です。

「このツールにはこういう弱点もあります」「正直、ここはお客様の努力が必要です」と、リスクも正直にさらけ出すこと。これが逆に、「この人は嘘をつかない」という究極の安心感につながり、結果として「費用対効果の証明」というハードルを下げてくれるのです。

まずは「信頼の貯金」の残高を確認することから始めよう

いきなり高度なテクニックを使う必要はありません。まずは、あなたが今抱えている「反応が渋い案件」について、一つだけ確認してみてください。

「私はこのお客様に対して、十分な『信頼の貯金』を作れているだろうか?」

もし、胸を張って「YES」と言えないなら、焦って費用対効果の資料を作るのはストップです。それは逆効果になりかねません。

その代わりに、今日できる小さな「GIVE」を考えてみてください。

お客様が少しでも喜ぶ情報、少しでも安心する言葉。それを一つ届けることが、遠回りに見えて、実は契約への最短ルートになります。

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「頭では分かったけど、実際の商談でどう振る舞えばいいか分からない」
「部下がいつも費用対効果の議論に巻き込まれて、疲弊している……」
「ウチの会社独自の『信頼の作り方』を設計してほしい」

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トレテク代表 久保埜 実(くぼの みのる)
セールスパーソン戦力化コンサルタント
【著者プロフィール】

医療系企業の営業職として従事しながら、“セールスパーソン戦力化コンサルタント”として、東京都八王子市と日野市を中心に事業を展開。
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