マーケティングの「バケツの穴」を塞ぎ、売上を生むKPIマネジメント術

「ネット広告を出してみたが、さっぱり売上に繋がらない…」
「展示会で名刺はたくさん集まるのに、なぜか受注できない…」
「一体、ウチのマーケティング活動の、何がムダで、何が正しいのか、もう分からない!」
中小企業の経営者や営業マネジャーの皆さまは、良かれと思って始めたマーケティング活動が、まるで空回りしているような焦りを感じていませんか?
コスト(費用)ばかりがかさんでいき、肝心の契約は一向に増えない。「このまま投資を続けていいのか…」と不安になっているかもしれません。
この記事は、そんな出口の見えない「空回りマーケティング」に悩む、あなたのためのものです。
この記事を読めば、なぜあなたの会社の貴重なリソース(資源)が無駄遣いされてしまうのか、その根本的な原因がわかります。
そして、成果の出ない無駄な投資をきっぱりとやめ、かけた費用の「3倍以上」を回収し、安定的に受注を生み出すための、具体的な「数字(KPI)を使ったマネジメント」の技術が手に入ります。
地獄の“空回り”ループ 〜 やればやるほど利益が減る会社の末路
ここで、私が実際に見てきた、ある製造業の会社(従業員400名)の、よくある「失敗事例」をご紹介します。
その会社は、長い歴史と高い技術力があり、これまでは既存のお客様からの「引き合い(紹介やリピート)」だけで、十分に売上を立てることができていました。
しかし、時代の変化とともに、昔ながらの引き合いは徐々に減少。業績は低迷し始めます。
経営者は「このままではマズい! 新規開拓だ!」と危機感を募らせます。
「そうだ、競合他社もやっている。これからはデジタルマーケティングだ!」経営者の鶴の一声で、新たに「営業企画部」が立ち上がりました。選抜されたメンバーは、「自分たちが会社の未来を創るんだ!」と意気込みます。
そして、ネット広告、SNSの運用、ウェブサイトの大規模リニューアル…と、考えられるあらゆる施策に、多額の予算と時間を投資し始めたのです。
その結果、どうなったか?
確かに、ウェブサイトへのアクセス数は少し増えました。売上も、「若干」ですが増えました。
しかし…。
それ以上に、広告費やサイトの運用費、そして営業企画部のメンバーの人件費といった「コスト」が、爆発的に膨れ上がってしまったのです。
売上は微増、コストは激増。
つまり、「マーケティング活動をすればするほど、会社の収益(利益)が悪化する」という、最悪の“逆効果”スパイラルに陥ってしまったのです。
彼らは「成果の出ない投資」を延々と続け、会社の大切な体力をすり減らしていました。なぜ、こんな悲劇が起きてしまったのでしょうか?
それは、彼らが「正しい“モノサシ”(数字)を持たずに、走り出してしまった」からです。
売上を自動化する「3つのKPIマネジメント術」
あなたの会社が、このような「空回り」から脱却し、かけたコスト(投資)を確実に売上や受注に変えていくために必要な「3つの解決策」を、今から具体的にお伝えします。
1. ゴールを見直す:「ユニットエコノミクス」を3倍以上に設定する
結論: マーケティング活動の最終ゴール(KGI)を、「ユニットエコノミクスが3倍以上」に設定してください。
理由: これが「かけたお金を、ちゃんと回収できているか」を示す、最も重要な“投資対効果”の数字だからです。
一歩目: まず、あなたの会社の「LTV(顧客生涯価値)」と「CAC(顧客獲得コスト)」を、ざっくりと計算してみましょう。
「ユニットエコノミクス? なんだか難しそう…」と思うかもしれません。大丈夫です、中学生でも分かるように説明します。
これは、「お客様一人を獲得するために使ったお金(コスト)が、そのお客様から将来得られる利益で、ちゃんと賄(まかな)えているか?」**を見るための、超重要な“割り算”です。
ユニットエコノミクス = LTV ÷ CAC この2つの言葉だけ、覚えてください。
① LTV (Life Time Value:顧客生涯価値)
これは、「お客様一社が、取引をやめるまでの間に、あなたの会社にもたらしてくれる“利益(粗利)”の合計」のことです。
例えば、
- 1年間の平均売上:250万円
- 平均の取引年数:3年
- 粗利率:20%この場合、LTVは…250万円 × 3年 × 20% = 150万円となります。このお客様は、あなたの会社に「150万円の利益」をもたらしてくれる、ということです。
② CAC (Customer Acquisition Cost:顧客獲得コスト)
これは、「お客様一社を、新しく「獲得」するために、トータルでかかった“費用(コスト)”」のことです。
広告宣伝費はもちろん、マーケティング担当者の人件費、展示会の出展料など、すべてを含みます。
例えば、
- 年間のマーケティング総費用:300万円
- その活動で獲得できた新規顧客数:6社この場合、CACは…300万円 ÷ 6社 = 50万円となります。「一人のお客様を獲得するのに、50万円かかった」ということです。
運命の割り算
さて、この会社のユニットエコノミクスはどうなるでしょうか?
LTV 150万円 ÷ CAC 50万円 = 3倍
この「3倍」という数字が、一つの目安です。
これは、「50万円の投資で、150万円の利益を生み出している」ことを意味し、非常に健全な状態と言えます。
もし、これが「1倍」を切っていたら…?
それは、50万円かけて獲得したお客様から、50万円以下の利益しか得られていない、つまり「赤字」だということです。
先ほどの失敗した製造業の会社は、まさにこの状態でした。
経営者であるあなたは、まずこの「ユニットエコノミクス」という“モノサシ”を持ち、「ウチは3倍以上になっているか?」を確認することから始めなくてはなりません。
2. “バケツの穴”を特定する:集客(マーケ)と営業(フォロー)の連携を数字で見る
結論: 新しい集客に投資する前に、まず「バケツの穴(=営業の取りこぼし)」が空いていないか、徹底的に点検しましょう。
理由: 穴が空いたままでは、どんなに広告費(水)を注いでも、見込み客(水)は全て流れ出て、受注(たまる水)はゼロのままです。
一歩目: まず、「展示会やセミナーで獲得したアンケートの数」と、その後の「営業が実際にフォローアップした数」の差をチェックしてください。
マーケティング活動がうまくいかない会社には、致命的な特徴があります。それは、「マーケティング(集客)」と「営業(フォロー)」が、完全に分断されていることです。これを、私たちは「バケツの穴」という例え話で説明しています。
【最悪の例:バケツに巨大な穴が空いている会社】
マーケティング部が、多額の予算を使ってセミナーを開催しました。
- 年間セミナー動員数:500人 (これは素晴らしい集客)
- アンケート回収数:300人
この300人分のリスト(見込み客)は、バケツに注がれた「水」です。
しかし、このリストを受け取った営業部門は、日々の業務に追われ、こう考えます。
「忙しいし、どうせ冷やかしだろう。本当に買う気がある人から、そのうち連絡が来るさ」
その結果…
- 営業がフォローアップした件数:たったの10件 (300人中!)
- その後の商談化件数:5件
- 最終的な受注件数:0件
これが「バケツの穴」です。
マーケティングがどんなに頑張って500人分の「水」を注いでも、営業がフォローをしない(=穴が空いている)ため、290人分の貴重な見込み客が、誰にも触れられずに流れ出て、契約がゼロという悲惨な結果になっているのです。
【理想の例:バケツの穴がきちんと塞がれている会社】
一方、賢い会社はこう考えます。
「集客(水)は、そんなに大量じゃなくていい。その代わり、注いだ水は一滴たりともムダにしない」
- 年間セミナー動員数:100人 (集客コストは5分の1)
- アンケート回収数:80人
- 営業がフォローアップした件数:50件 (80人中50件にしっかり接触)
- 商談化件数:15件
- 最終的な受注件数:5件
いかがでしょうか。
集客コストは5分の1なのに、しっかりと5件の契約が生まれています。
これは、「バケツの穴(取りこぼし)」が小さいからです。
パフォーマンスの高いマーケティングとは、集客にお金をかけることではなく、まず、この「穴」を塞ぐことから始めるのです。
3. “地味な活動”にこそKPIを設定する:集客「後」の行動を管理する
結論: 「アクセス数」や「リスト数」だけでなく、集客「後」の地道なフォロー活動にこそ、KPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。
理由: バケツの穴を塞ぎ、最終的に受注を決めるのは、営業による「集客“後”の地道な活動」以外にないからです。
一歩目: 「アンケート回収後の、電話フォローアップ数」や「アポ獲得数」をチームのKPIに設定し、毎週必ずチェックする仕組みを作りましょう。
多くの経営者が、KPI設定を間違えています。
「今月のKPIは、ホームページのアクセス数10万件だ!」
「展示会の名刺獲得数、500枚を目指せ!」
これらは「集客(種まき)」のKPIです。
もちろん重要ですが、これだけを追いかけても、先ほどの「バケツの穴」の例のように、売上には1円も繋がりません。本当にパフォーマンスを高めたいなら、「バケツの穴を塞ぐ活動」そのものをKPIにするべきです。
【本当に設定すべき、売上に直結するKPI】
- フォローアップ数(獲得したリストに、何件電話をかけたか?)
- コネクト数(そのうち、何件の担当者と“会話”ができたか?)
- アポイント獲得数
- 有効商談数(決裁権を持つキーパーソンと会えたか?)
これらのKPIを設定するのです。
一見、とても「地味」ですよね。「ホームページのアクセス数10万件!」に比べると、ワクワクしないかもしれません。社内で立派な資料を作ったり、新しいプロジェクトの会議をしたりする方が、「仕事をやっている感」は出ます。
しかし、そんな「社内アピール」は、お客様には1ミリも届きません。お客様に届くのは、「電話をかける」「メールを送る」「アポを取る」という、地道な行動だけです。
この“地味な活動”を「見える化」し、正しく評価するKPIマネジメントこそが、あなたの会社のマーケティング活動を「空回り」から「本物の売上」へと変える、唯一の方法なのです。
まずは、あなたの会社の「バケツの穴」を覗いてみよう
パフォーマンスの高いマーケティング活動へのヒントは、掴めたでしょうか?大切なのは、知識として知ることではなく、あなたの会社の現状に当てはめてみることです。
経営者や営業マネジャーであるあなたが、今日からできる「一歩目」を提案します。
今すぐ、あなたの会社が先月獲得した「見込み客リスト(展示会や問い合わせなど)」の総数を調べてください。そして、そのリストに対して、営業チームが「“実際に”何らかのフォロー(電話やメール)をした数」を比べてみてください。
もし、獲得したリストが「100件」で、フォローした数が「10件」だとしたら…そこに「90件」分の、巨大な「バケツの穴」が空いています。
その穴の大きさを直視することこそが、あなたの会社の無駄な投資を止め、売上を劇的に改善させるための、最も重要な第一歩です。
「複雑なこと」を「単純に」し、売上を最大化しませんか?
「ウチの会社に合うKPIが、具体的に分からない…」
「バケツの穴の塞ぎ方を、もっと詳しく教えてほしい」
「営業とマーケティングがバラバラで、どう連携させればいいか…」
もし、あなたが本気で会社の「投資対効果」を改善し、「絶対達成」できる強い営業組織を作りたいとお考えなら、ぜひ一度ご相談ください。
トレテクの理念は、「複雑なことを単純に考える」こと。あなたの会社に眠る「バケツの穴」を正確に特定し、ムダなコストをゼロにし、売上を安定的に生み出すための「シンプルなKPIマネジメント」の導入を、私たちが強力にサポートします。
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あなたの会社の「コスト(投資)」が、輝かしい「売上(リターン)」に変わる日を、楽しみにしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
