あなたの言葉が「定義」されていなければ、メンバーは勝手に動き売上もままならない

「なんで、言った通りにやってくれないんだ!」
「この前の指示、部下に全然違う意味で伝わってるじゃないか…」
「こちらの意図を説明しても、どうもズレている気がする…」
中小企業の経営者や営業マネジャーの皆さま。 部下やチームメンバーとの、こんな「コミュニケーションのズレ」に頭を抱えてはいませんか?
良かれと思って指示を出しても、期待した行動が返ってこない。 その結果、仕事はやり直しになり、スピードは落ち、大切なお客様への対応が遅れ、気づけば大きな売上の機会損失につながっている…。
この記事は、そんな「伝えたはずなのに、動いてくれない」という根深く、深刻な悩みを抱えるあなたのためのものです。
この記事を読めば、なぜその「ズレ」が起きるのか、その根本原因がわかります。そして、受注や契約につながる強い組織を作るための、具体的な「言葉の定義術」を体得できます。
なぜか評価が低い…すべてのズレは「家庭」と「会社」で起きている
まずは、あなたの会社でも「あるある!」と膝を打つような、典型的な「ズレ」の失敗例を見てみましょう。
失敗例1:家庭でのズレ
ある高校生の娘が、学校のテストで「70点」を取りました。 娘は「やった! これで友達と同じ、家の近くの大学に行ける!」と大喜びです。
しかし、その答案用紙を見たお母さんは、鬼の形相で怒り出します。 「70点!? 何を考えてるの! 今すぐ家庭教師をつけるわよ!」
なぜ、こんな悲劇が起きるのでしょうか? 娘は「友達と行ける大学」がゴールなので、70点で満足です。 一方、お母さんは「娘を東大(とうだい)に行かせる」のがゴール。そのためには学校のテストは100点で当たり前、70点なんて問題外、という認識です。
お互いの「ゴール」がズレているから、70点という「事実」に対する評価と、次にとるべき「行動」が、まったく真逆になってしまうのです。
失敗例2:会社でのズレ
これは、そっくりそのまま、あなたの会社でも起きています。
ある営業マネジャーが、月末の会議で部下たちにこう指示を出しました。 「今月の営業活動、みんなもっと『積極的』に動いてくれ!」
それを聞いた部下たちは、「分かりました!」と元気に返事。 Aさんは、「よし、既存のお客様へのフォロー電話を“積極的”に増やそう」と考えました。 Bさんは、「なるほど、社内の事務作業を“積極的”に手伝って、他の営業が動きやすくしよう」と考えました。
…1ヶ月後。 マネジャーは、上がってきた数字を見て激怒します。 「おい! なんで新規の契約が1件も取れてないんだ! 『積極的』に動けと言っただろう!」
部下たちは、心底うんざりしています。 「(Aさん)言われた通り、あんなに電話をかけたのに…」 「(Bさん)みんなのために、あんなに裏方作業をやったのに…」
もうお分かりですね。 マネジャーの考える「積極的」とは、「新規顧客への訪問件数を20%増やすこと」でした。 しかし、その言葉が「定義」されていなかったために、部下たちは全員、まったく別の解釈で、別の行動(しかも良かれと思って)をとってしまったのです。
これが「ズレ」の正体です。 このズレを放置している限り、あなたの会社の売上が安定することは、決してありません。
今すぐやめる! チームを崩壊させる「ズレが生まれる3つの言葉」
では、どうすればこの「ズレ」をなくせるのでしょうか? 答えはシンプルです。「言葉を定義する力」を身につけること。 つまり、「この言葉は、具体的に何を指していますか?」をお互いに確認することです。
特に、以下の3つのパターンの言葉が会話に出てきたら、要注意です。 これこそが「ズレのオンパレード」の始まりです。
1. そもそも「曖昧な名詞」を放置しない
結論:「効率化」「効果的な施策」「競争優位性」といった“それっぽい”言葉は、中身を定義しない限り、使ってはいけません。
理由: 人によって、その言葉でイメージするものが全く違うからです。
一歩目: 会議でその言葉が出たら、「すみません、その『効率化』とは、具体的に『何がどうなったら』達成と言えますか?」と確認しましょう。
あるコンサルティング会社のグループディスカッションで、東大生や慶大生に、こんなお題が出されました。 「日本の“笑い”を“世界”に“広める”には、どうしたらいいですか?」
学生たちは、次々と「解決策」を口にしました。 「英語に翻訳すべきだ」「SNSを使うべきだ」「海外法人を立てるべきだ」
しかし、結果は全員「不合格」でした。
なぜか? 彼らは「解決策」に飛びつきましたが、肝心の「言葉の定義」を誰もしなかったからです。
- “笑い”とは? 漫才(まんざい)ですか? 落語(らくご)ですか? 歌舞伎(かぶき)ですか?
- “世界”とは? 全世界ですか? まずは東南アジアですか?
- “広める”とは? 認知度(にんちど)を上げることですか? 売上(うりあげ)を上げることですか?
これらを定義しない限り、議論はかみ合うはずがなく、解決策もすべてズレてしまいます。
あなたの会社でも、「お客様にとって納得のいく施策を考えろ」と指示していませんか? 「納得のいく」とは、お客様から「ありがとう」と言われることですか? それとも、次の契約にサインしてもらうことですか? そこを定義しない限り、部下は動きようがないのです。
2. 「〇〇的」という“ふんわり言葉”を疑う
結論:「効果的」「効率的」「生産的」「積極的」といった「〇〇的」という言葉は、使うのも聞くのも危険です。
理由:これこそが、先ほどの営業マネジャーの失敗例のように、「ズレ」の最大の温床(おんしょう)だからです。
一歩目: 「『積極的』とは、具体的に何の行動を指しますか?」と問いかけ、行動レベルで握りましょう。
「〇〇的」という言葉は、非常に便利で、日本語らしい美しい表現です。 しかし、ビジネスの現場においては、これほど曖昧(あいまい)で危険な言葉はありません。
「もっと積極的に仕事しようよ」 この一言で、部下は「何を」すれば評価されるのか、まったく分からなくなります。 「新規の訪問を増やすこと」なのか、「社内の業務を率先してやること」なのか。
このズレが、部下のモチベーションを奪い、チームの実行力を著しく低下させます。
3. 「形容詞・副詞」を、すべて「数字」に置き換える
結論:「たくさん」「非常に」「なるべく早く」「多めに」といった言葉は、営業現場で絶対に使ってはいけません。
理由: 人によって「なるべく」の尺度が、1時間の人もいれば、1週間の人もいるからです。
一歩目: あなたが使う言葉、そして部下が使う言葉を、すべて「数字」で伝え、「数字」で確認するクセをつけましょう。
これは、ズレをなくす最もシンプルで、最も強力なテクニックです。 以下のAとB、どちらの指示がズレようのない、実行可能な指示でしょうか。
【A:ズレる指示】 「この資料、多めに印刷しておいて」 「お客様からのクレーム、なるべく早く対応してくれ」 「営業活動、しばらくの間、中止しよう」
【B:ズレない指示】 「この資料、20部印刷しておいて」 「お客様からのクレーム、1時間以内に対応してくれ」 「営業活動、今月末まで、中止しよう」
答えは明白ですね。 Bの指示であれば、部下が解釈を間違える余地は一切ありません。「今週中にたくさんアポを取れ」ではなく、「今週金曜までに5件のアポを取れ」と指示するだけで、チームの行動は劇的に変わります。
「めんどくさい…」その一言が、あなたの会社の成長を止めている
ここまで読んで、「いちいち確認するなんて、めんどくさい…」 「部下からそんな細かいことを聞かれたら、イラッとしてしまう」 そう思った経営者の方も、いらっしゃるかもしれません。
ですが、断言します。 仕事の9割は、この「ズレをなくす作業」です。 この「めんどくさい」確認作業を最初にしっかりやっておけば、後で発生するはずだった「ズレによる手戻り」や「無駄な作業」の9割を、ごっそりなくすことができるのです。
そして、この「ズレをなくす責任」は、上司か部下、どちらか一方にあるのではありません。 「双方」にあります。
- 経営者・上司の責任: 「部下の佐藤さんは、言ったことをやってくれない」と嘆くのは間違いです。それは、あなたの指示が曖昧だったせい。あなたの言葉が「ズレ」を生んだのです。
- 部下の責任: 「課長は、どうすればいいか指示してくれない」と、指示を“待つ”だけ(くれくれ君)ではいけません。それも立派な「ズレ」の原因です。「私はこう理解しましたが、合っていますか?」と、自分から確認する。それこそが本当の仕事です。
「上司に確認するのが怖い…」という部下の本音
とはいえ、部下の立場からすると、「こんなことまで聞いていいんだろうか…」「さっき言っただろ!と怒られないか…」と、確認すること自体が“怖い”と感じているケースも少なくありません。
経営者・マネジャーであるあなたの、本当の仕事はここからです。 部下がこの「恐怖」を乗り越え、ズレを恐れずに確認しに来たとき、あなたは彼らをどう評価しますか?
「ああ、また細かいことを…」と面倒そうな顔をしますか? それとも、 「よく確認してくれた!その確認のおかげで、プロジェクトが成功に近づいた!」 と、その行動を褒めたたえますか?
コンサルティングの世界では、相手にどれだけ怒られようと、「このプロジェクトを成功させるためには、今この定義を握るべきなんです!」と食い下がれる人間が、最終的に最も高い評価を得ます。
なぜなら、その「めんどくさい」確認こそが、チームの無駄な動きをゼロにし、最短距離で受注というゴールにたどり着くための、最強の武器だと知っているからです。
まずは「一つの言葉」を「一つの数字」に変えてみよう
あなたの会社を「ズレない組織」に変えるための、最初の一歩はとても簡単です。 今日、あなたが部下に指示を出すとき、たった一つでいいので、「曖昧な言葉」を「具体的な数字」に置き換えてみてください。
「このリスト、なるべく早くチェックして」 と言う代わりに、「このリスト、今日の15時までにチェックして」 と言ってみる。
もし部下から「多めにコピーしておきます」と報告が上がってきたら、 「ありがとう。その『多めに』って、具体的に何部のことかな?」 と、笑顔で聞き返してみてください。
この小さな、しかし決定的な「定義」の積み重ねが、あなたのチームから無駄なコミュニケーションをなくし、空いた時間で、本当に売上につながる活動に集中できる、強い組織文化を作っていきます。
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DX(デジタルトランスフォーメーション)や新しいツールを導入しても、結局うまくいかない…。 その原因は、ツールではなく、全ての根幹である「コミュニケーション」のズレにあります。
- 部下やチームの実行力を劇的に高めたい…
- 指示の「ズレ」や「手戻り」をなくし、生産性を上げたい…
- 「言わなくても分かる」という曖昧な文化から脱却し、確実に契約(受注)を取れる論理的な営業チームを作りたい…
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あなたの会社の「ズレ」が「信頼」に変わる日を、楽しみにしています。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
