「検討します」と言われ商談が停滞…音信不通を防ぎ商談を継続させる『宿題』の技術

「ご提案、ありがとうございます。社内で検討しますので、一旦お待ちください」
「何かあれば、こちらから連絡しますね」
商談の最後、お客様からこの言葉が出た瞬間、背筋がスッと寒くなるような感覚を覚えたことはありませんか?
手応えは悪くなかったはず。でも、この「検討します」という言葉の裏には、果てしない「待ちぼうけ」の時間と、自然消滅という最悪のシナリオが潜んでいることを、経営者や営業マネジャーであるあなたなら痛いほどご存じのはずです。
この記事は、そんな「待ちの営業」から脱却し、お客様の心をコントロールして契約をたぐり寄せるための、具体的かつ即効性のあるテクニックをお伝えするために書きました。
これを読めば、明日からの商談で「検討します」と言われた時の景色がガラリと変わり、売上に直結する「次の一手」が明確に見えるようになることをお約束します。
「何かできることはありませんか?」が命取りになる理由
まずは、多くの営業マンが良かれと思ってやってしまう、しかし実は受注を遠ざけている「ある失敗」についてお話ししましょう。
よくある失敗シーン
クロージングの段階で「検討します」と言われたとき、あなたの部下や、もしかするとあなた自身も、食い下がるようにこう聞いていませんか?
「では、検討にあたって、私の方で何かできることはありませんか?」
一見、親切でやる気のある営業マンの言葉に聞こえます。しかし、これは心理学的に見ると、お客様に「ノー」と言わせる、あるいは「シャットアウト」させるためのパスを出しているのと同じなのです。
なぜ、この質問がダメなのか?
理由は大きく分けて2つあります。
お客様は「安全地帯」にいたいから
お客様の本音は「営業からしつこく追われたくない」です。
「何かあればこちらから連絡します」という状態は、お客様にとって「自分からは連絡できるけど、営業からは連絡させない」という、非常に都合がよく、安全で楽な状態(権利の非対称性)です。
「何かできることは?」と聞かれても、「いいえ、大丈夫です」と答えるだけで、この安全地帯をキープできてしまうのです。
「選ぶ」のは疲れるから
「何かできること」という質問は、選択肢が無限にあります。
お客様からすれば、「何を頼めばいいかわからない」「頼んでおいて、社内で使わなかったら申し訳ない」「無駄な労力をかけさせるのは気が引ける」という心理が働きます。 結果、面倒くささが先に立ち、「とりあえず大丈夫です」という回答になってしまうのです。
つまり、この質問をした時点で、お客様は「ああ、この人は普通の営業マンだな」と判断し、心のシャッターを静かに下ろしてしまうのです。
「できる営業」と認めさせる!魔法の切り返しトーク
では、どうすればこの状況を打開できるのでしょうか? ここで、トップセールスだけが実践している、非常にシンプルかつ強力なテクニックをご紹介します。
それは、「オープンクエスチョン(何かありますか?)」ではなく、「二者択一(AかBか?)」で迫るという方法です。
明日から使える具体的トーク
「検討します」と言われたら、すかさずこう切り返してください。
「承知いたしました。では、社内でのご検討用に資料をお送りしておきますね。今、私が手元ですぐにご用意できて、時間をかけずにお出しできるのが『詳細なスペック一覧(A)』と『同業他社の導入事例集(B)』の2つがあるのですが、どちらの方がご状況に合いそうですか?」
ポイントは以下の3点です。
① 「時間をかけずにすぐ出せる」と強調する
「AとB、どちらがいいですか?」と聞くだけでは不十分です。「今すぐ出せる」「時間はかからない」と付け加えることで、お客様の「相手に負担をかけたくない」「待たされたくない」という罪悪感や懸念を払拭します。
これにより、お客様は「それならもらっておこうかな」という気持ちになりやすくなります。
② 選択肢を絞って「選ぶストレス」をなくす
無限の選択肢から選ぶのは大変ですが、「AかBか」なら一瞬で判断できます。しかも、その選択肢が「スペック表」や「事例集」のように具体的であればあるほど、お客様は社内で検討しているシーンをリアルに想像しやすくなります。
「こっちの方が役に立ちそうだな」とお客様自身に考えさせることこそが、停滞した商談を動かすエンジンになります。
③ 「優秀な営業」だというサインを送る
ここが最も重要です。 「何かありませんか?」と丸投げするのではなく、「今の御社の状況なら、AかBが必要になるはずだ」と先回りして提案できること。
これは、お客様に対して「私は御社の課題を理解し、適切な材料を即座に提供できるプロフェッショナルです」という強烈なメッセージになります。
お客様は、「できる営業」を無下にはしません。「この人をキープしておけば、将来何かあった時に助けてもらえるかもしれない」という心理が働くからです。 これによって、あえて関係を絶とうとする「音信不通」のリスクを劇的に下げることができるのです。
「宿題」をもらって、次回の主導権を握る
「AかB、どちらがいいですか?」という質問で、お客様から「じゃあ、Bの事例集をお願い」と言質を取れたとしましょう。 これで終わりではありません。ここからが、受注を確実にするための「宿題」をもらうフェーズです。
ただ送るだけではダメ
資料を送って「検討してください」で終わってしまえば、また元の木阿弥です。 ここで、以下のように伝えてください。
「承知しました。ではBの事例集をすぐにお送りしますね。ただ、これをご覧いただくと、もしかすると『費用のシミュレーション』の方も気になってくるかもしれません。もしよろしければ、そちらも今のうちに準備しておきましょうか?それとも、まずは事例だけでよろしいでしょうか?」
あるいは、
「Bをお送りしますが、御社の今の状況に合わせて少しだけデータを加工した方が見やすいかもしれません。〇〇の部分を強調した形にアレンジしてみましょうか?」
さらなる可能性に備える
このように、「資料を送る」という行為に付随して、「次に出てくるであろうニーズ」を先回りして提示するのです。 これをお客様と「一緒に考える」というプロセスを経ることで、単なる「資料送付」が、「お客様のためのカスタマイズ作業(=私への宿題)」に変わります。
営業側が「宿題」を背負うということは、「宿題が完了したタイミングで、必ず連絡を取る正当な理由ができる」ということです。
これにより、お客様からの「連絡待ち」という受け身の状態から、堂々と「お待たせしました!」と連絡できる攻めの状態へと、立場を逆転させることができるのです。
経営者・マネジャーの皆様へ、次のアクション
いかがでしたでしょうか? 「検討します」という言葉は、断り文句ではなく、攻略のヒントが詰まった宝の山です。
まずは、明日からの営業活動で、以下の1ステップだけを試してみてください。
商談に行く前に、「今すぐ出せる資料A」と「資料B」の2パターンを準備しておく
これだけです。 「何かありませんか?」と聞くのをやめ、「これとこれなら、すぐ出せますがどっちがいいですか?」と聞く準備をする。 たったこれだけの準備で、お客様の反応が驚くほど変わり、契約への道筋がハッキリと見えるようになるはずです。
あなたのチームの「営業力」を、本質から変えませんか?
今回お伝えしたのは、数ある営業テクニックのほんの一部に過ぎません。 しかし、こういった人間の心理に基づいた本質的なコミュニケーションができるかどうかが、売上を作り続ける組織と、そうでない組織の決定的な差となります。
もしあなたが、
- 「検討します」で止まってしまう商談を減らしたい
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