お客様の“ストレス起点”の質問術で、「嫌われる営業ヒアリング」から脱却

「一生懸命ヒアリングしてるのに、なぜか契約に繋がらない…」
「お客様の本音を引き出せないまま、当たり障りのない会話で終わってしまう…」
経営者や営業マネージャーの方であれば、自社の営業担当者に対して、あるいはご自身で、このような悩みを一度は抱えたことがあるのではないでしょうか。
お客様のことを深く理解しようと質問を重ねているつもりなのに、なぜか相手の反応が鈍かったり、時には少し警戒されたりしてしまう。良かれと思ってやっている「深掘り」が、実は相手に不快感を与えてしまっているのかもしれません。
この記事では、そんな「ヒアリングの壁」に悩むあなたのために、お客様が気持ちよく、そして本音で語り出してくれる「深掘り」の技術、特に“顧客のストレス”に着目した、今日から使える具体的なアプローチを徹底解説します。
この記事を読めば、あなたの営業チームは、お客様との間に確かな信頼関係を築き、質の高い提案を通じて受注を獲得し、売上を伸ばしていくための重要なヒントを得られるはずです。
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「良かれと思って」が逆効果? よくあるヒアリングの失敗談
「お客様のことをもっと知りたい!」その気持ちは、営業として非常に大切です。表面的なニーズだけを聞いて提案するよりも、その背景にある想いや、お客様が置かれている状況(文脈)を深く理解した上で提案する方が、圧倒的に相手の心に響き、受注に繋がりやすいのは言うまでもありません。
しかし、その「深く知りたい」という気持ちが、時として空回りしてしまうことがあります。
例えば、まだ関係性が十分に築けていない初回訪問。相手の緊張をほぐそうと、あるいは早く核心に迫ろうと、いきなり「御社の抱える一番大きな課題は何ですか?」とか「5年後の事業ビジョンについて教えてください」なんて、大きな質問をぶつけてしまった経験はありませんか?
こちらとしては、相手のビジネス全体を理解しようという真摯な気持ちだったとしても、お客様からすれば「なんで初対面のあなたに、そんな大事な話をいきなりしなきゃいけないんだ?」と感じてしまうかもしれません。あるいは、「また、型にはまったコンサルみたいな質問か…」とうんざりさせてしまう可能性もあります。
また、見積もりや提案を作成するために、細かな情報を矢継ぎ早に質問してしまうケース。例えば、システム導入の提案のために、「現在のPCのスペックは?」「サーバーのOSは?」「ネットワーク構成は?」と、根掘り葉掘り聞いていく。もちろん、正確な見積もりには必要な情報です。
しかし、お客様にとっては、まだその提案が本当に価値あるものかどうかも分からない段階。そんな状況で、まるで尋問のように詳細を問われると、「なんでそんなことまで教えないといけないんだ?」「結局、自分の売りたいものを売るための情報収集でしょ?」と、不信感を抱かせてしまう危険性があるのです。
このような「営業側の都合」や「踏み込みすぎ」が透けて見えるヒアリングは、お客様に無意識のうちにストレスを与え、心を閉ざさせてしまいます。これでは、せっかくの商談も契約には至らず、最悪の場合、次回の訪問すら断られてしまうかもしれません。
あなたの会社の営業担当者は、知らず知らずのうちに、このような「嫌われるヒアリング」をしてしまってはいないでしょうか?
嫌われる深掘り、好かれる深掘り ~ 鍵は「ベクトル」と「ストレス」
お客様が気持ちよく感じる深掘りと、不快に感じる深掘り。その決定的な違いはどこにあるのでしょうか?
抽象的なレベルで言えば、「相手のためを思った深掘り」や「丁寧な言葉遣いでの深掘り」が良いとされるのは当然です。
しかし、現実はもっと複雑です。人によって「気持ちいい」と感じるポイントは千差万別。「これは相手のためになるはずだ」と思って投げかけた質問が、相手にとっては「余計なお世話だ」「そこまで踏み込まれたくない」と感じられてしまうことも少なくありません。
そこで私が注目しているのが、ヒアリングの「ベクトル」、つまり、質問がどちらの方向を向いているか、そしてお客様が「日常的に感じているストレス」です。
先ほど例に挙げた「見積もりや提案のための詳細な質問」。これは、ベクトルが完全に「営業側」を向いていますよね。もちろん、提案に必要な情報を聞くこと自体は悪くありません。しかし、お客様からすれば、「それはあなたの都合でしょ?」と感じてしまいやすいのです。
特に、まだその提案に強い興味を持っていない段階では、その質問に答えること自体が「面倒くさい」「時間を取られる」といったストレスになりかねません。
では、ベクトルをどちらに向ければ良いのでしょうか? 答えはシンプルです。「お客様の目的達成」や「お客様の抱える問題解決」の方向に向けるべきなのです。
しかし、ここでまた一つ、落とし穴があります。
「お客様の現状と理想を教えてください」といった、いかにもコンサルタントが使いそうなフレームワークに沿った質問。これもベクトル自体は間違っていないかもしれませんが、お客様によっては「また型にはまった質問か…」「なんだか、誘導されている気がする」と感じてしまうことがあります。
そこで、私が提唱したいのが、「お客様が日常的に感じているストレス」に焦点を当てるアプローチです。
顧客の「ストレス」に寄り添うことから始めよう
人間は、「メリットがある」と言われても、すぐにはピンとこない生き物です。なぜなら、そのメリットが本当に得られるかどうかは、結局のところ不確実だからです。
提案された商品やサービスを導入すれば、確かに課題が解決できる「かもしれない」。でも、本当にうまくいく保証はどこにもありません。
一方で、「目の前にあるストレス」を軽減してくれるかもしれない、という気配には、人は非常に敏感に反応します。そして、そのストレスを理解し、軽減しようとしてくれる人に対しては、自然と心を開きやすくなるのです。
考えてみてください。あなたがもし、毎日山のようなタスクに追われ、「ああ、忙しい!」と常に感じているとします。そんな時に、回りくどい説明や、長々とした質問をしてくる営業担当者が現れたらどうでしょう? きっと、「こっちは時間がないんだ!要点を手短に話してくれ!」とイライラしてしまいますよね。
逆に、「〇〇様、大変お忙しいところ恐縮です。承知しておりますので、今日は一つだけ、特に重要だと思われる点についてお伺いしてもよろしいでしょうか?」と、こちらの状況を理解した上で、簡潔に話を進めようとしてくれる人には、好感を持ちやすいはずです。
つまり、お客様が気持ちよく感じる深掘りの第一歩は、「この人は、私の抱えているストレスを理解し、それを軽くしてくれそうだ」と感じてもらうことなのです。
顧客のストレスを特定し、共感する「3つのステップ」
では、具体的にどのように進めれば良いのでしょうか? ここでは、顧客のストレスに寄り添い、信頼関係を築きながら自然に深掘りしていくための3つのステップをご紹介します。
【ステップ1】顧客が日常的に感じる「ストレスの種類」を特定する
人が抱えるストレスは様々です。「忙しさ」「周囲に理解されない孤独感」「何をすべきかわからない不安」など、種類によって響く言葉や求めるサポートは異なります。まず相手のストレスの根源を探ることが、的確な共感の第一歩となります。
まず初めに取り組むこととして、 商談の冒頭や雑談の中で、
「最近、何かやりたくても出来ていないことってありますか?」
あるいは「本来はやりたくないのに、やらざるを得ない業務って何かありますか?」
といった質問を投げかけ、相手が何に困っているのか、どんなことにフラストレーションを感じているのかを探ってみましょう。
ストレートに「ストレスは何ですか?」と聞くと警戒される可能性があるので、具体的な行動や業務に焦点を当てて聞くのがポイントです。
【ステップ2】特定したストレスに寄り添い、「味方である」ことを示す
自分の抱えるストレスを理解してもらえたと感じると、人は安心感を覚え、相手への信頼度が高まります。「この人は分かってくれる」という感覚が、本音を引き出すための土台となります。表面的な相槌ではなく、相手の感情に寄り添う姿勢が重要です。
例えば、お客様が「部下がなかなか育たなくて…」と漏らしたら、
「そうなんですね、それはお察しします。〇〇様のような立場だと、ご自身の業務に加えて、育成にも時間を割くのは本当に大変ですよね」
と、具体的な状況を想像しながら共感の言葉を伝えましょう。「その気持ち、わかります!」を引き出すことができれば、相手は心を開き始めます。
【ステップ3】「事実(ファクト)」ベースの質問から深掘りを始める
「なぜそうなったのですか?」「理想はどういう状態ですか?」といった抽象的な質問は、相手にゼロから考えさせる負荷を与え、かえってストレスになることがあります。一方、
「いつからですか?」 「どなたが関わっていますか?」 「(とりわけ)どのような場面でそう感じますか?」
といった事実を確認する質問は、相手が答えやすく、負担を感じさせません。
例えば、「部下が育たない」というストレスに対して、「具体的に、どのような場面で『育っていないな』と感じられますか?」「その状況は、いつ頃から始まったのですか?」のように、具体的な状況や経緯に関する事実を尋ねることから始めましょう。
事実を積み重ねていくうちに、お客様自身も頭の中が整理され、自然と問題の本質や原因に気づき、自ら語り始めてくれることがあります。
この3つのステップ、
①ストレスの種類を特定 → ②味方であることを示す → ③事実ベースで深掘り」
という流れを意識することで、お客様は「この人は、自分の状況をよく理解してくれている」「この人に相談すれば、このストレスを何とかしてくれるかもしれない」と感じ、警戒心を解いて、より深いレベルで対話に応じてくれる可能性が高まります。
いきなり核心に迫ろうとしたり、こちらの聞きたいことだけを聞いたりするのではなく、まずはお客様の「ストレス」という感情に焦点を当て、そこに寄り添う。
一見、回りくどく感じるかもしれませんが、これこそが、お客様との強固な信頼関係を築き、質の高い受注に繋がる営業ヒアリングの王道なのです。
まずは顧客の「面倒くさい」を探ってみよう
さて、ここまで読んでいただき、ありがとうございます。「ストレス起点」のヒアリング、試してみたくなったのではないでしょうか?
もちろん、すぐに完璧に実践するのは難しいかもしれません。でも、大切なのは、まず一歩を踏み出してみることです。
そこで、あなたに提案したい「次のアクション」はこれです。
次回の商談や顧客との電話で、いきなり本題に入る前に、まずはこの一言を加えてみてください。
「〇〇様、いつもお世話になっております。・・・ところで、最近何か『面倒だな』と感じていらっしゃる業務や作業はありますか?」
「課題は何ですか?」と聞くよりも、少しハードルが低く、相手も答えやすいはずです。「忙しさ」というストレスだけでなく、「面倒くさい」「気が進まない」といった、より具体的な感情に焦点を当てることで、思わぬ本音や、これまで気づかなかった課題が見えてくるかもしれません。
たった一言ですが、この質問が、お客様との関係性を変え、あなたの会社の【営業】を次のステージに進めるきっかけになる可能性があります。ぜひ、今日から試してみてください。
そのヒアリング、見直しませんか?売上に繋がる「対話力」を磨くために
あなたの会社の営業チームは、お客様の表面的な言葉の裏にある「本当のストレス」や「満たされていない欲求」を、的確に引き出すことができているでしょうか?
もし、
- ヒアリングが浅く、契約に繋がらないことが多い
- お客様の本音を引き出せず、提案が的外れになりがち
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。