「検討は先」のはずが他社と契約?受注を逃さないための、見えないお客様の動かし方

「今はまだ、情報収集の段階だから」と断られたのに、数週間後には他社と契約していた……。そんな悔しい経験はありませんか?
この記事を読めば、なぜ多くの営業がお客様の「買い時」を外してしまうのか、その衝撃の理由がわかります。そして、2,676人の調査データに基づいた「見えない検討プロセス」を動かし、確実に受注を勝ち取るための具体的な戦略が手に入ります。
「検討はまだ先」と言っていたお客様が、急に急かしてくる謎
経営者や営業マネジャーの皆さんは、部下からこんな報告を受けたことはないでしょうか。
「有望な見込み客だと思ったのですが、『時期尚早』だと言われてしまいました」
ところが、その数日後。同じお客様から「来週までに見積もりをください!急いでいます!」と、手のひらを返したような連絡が来る。あるいは、気づかないうちにライバル企業と契約を結んでいた……。
「ゆっくり検討するんじゃなかったのか?」 「なぜ、うちには声をかけてくれなかったんだ?」
営業現場で繰り返されるこの「タイミングのズレ」は、単なるコミュニケーション不足ではありません。実は、お客様の頭の中にある「氷山」を見逃していることが原因なのです。

営業に見えているのは「氷山の一角」にすぎない
お客様が商品を買うまでのプロセスのうち、営業担当者と会って話している時間は、ほんのわずかです。
営業から見えているお客様の動きは、海の上に突き出た「氷山の一角」にすぎません。その海面下には、営業が知り得ない、そして影響を及ぼすのが難しい「巨大な検討の世界」が広がっています。
調査で見えた「2つの大きな壁」
お客様が検討段階でぶつかっている困難についても調査したところ、意外な結果が出ました。
- 予算の制約: お金の問題です。これは想像通りですね。
- スケジュールの問題: 実はこれが厄介です。「短い時間で慌てて検討しなければならない」という状況に、多くのお客様が苦しんでいます。
「まだ先だ」と言っていたお客様が急に「今すぐ見積もりを!」とせかしてくるのは、社内の議論がスムーズに進まず、ギリギリになってようやく「買おう!」と決まったからです。営業から見えない水面下で、お客様はドタバタと混乱しているのです。
この「見えないところでの動き」を掴めない限り、どれだけ頑張っても売上を安定させることはできません。
なぜタイミングを外すのか?「見えない世界」の正体
多くの営業担当者がタイミングを捉え違ってしまう理由は、大きく分けて2つあります。
① 「課題認識」が営業に全く見えない
お客様が「そもそも、うちにはこの課題があるよね」と気づく段階(課題認識)には、営業が一度も会ったことがない社内の関係者たちがたくさん関わっています。
今回の調査でも、社内の半分以上の人が、営業と接触する前の段階ですでに検討に参加していることがわかりました。 営業が見ていないところで、勝手に会議が進み、勝手に方向性が決まっている。これがタイミングを逃す最大の要因です。
② 「情報収集」の段階で、すでに勝負が決まっている
驚くべきデータがあります。なんと、全案件の6割(60%)は、営業が正式な見積もりを出す前に、心の中ですでに「どの会社にするか」が決まっているのです。
お客様は「とりあえず情報を集めているだけです」と言いながら、実はそのプロセスの中で「あ、この会社いいな」と決定的な好意を抱いています。
これはお客様自身も無意識であることが多いのですが、営業が「さあ、これから提案だ!」と意気込む頃には、すでに勝負はついている。これが、受注を逃す「見えない落とし穴」です。

決定権を持つ「6人」と、進んでいく「5つのステップ」
お客様の「見えない動き」を整理するために、頭の中に一つの表(マトリックス)を作ってみてください。
まず、社内には「6種類の役割」を持った人たちがいます。
- 現場の利用者: 実際に製品を使う人たち。
- 社内の推進者: 「これを導入しよう!」と旗を振るリーダー。
- 窓口担当者: 営業(ベンダー)との連絡役。
- 予算の監督者: お金を管理し、コストを厳しく見る人。
- 意思決定の助言者: 決裁者に「これがいいですよ」とアドバイスする裏のキーマン。
- 最終決裁者: 最後にはんこを押す責任者。
そして、購買は以下の「5つのステップ」で進みます。
- ステップ1:課題認識(「困ったな、何とかしなきゃ」と気づく)
- ステップ2:情報収集(ネットで調べたり、資料を集めたりする)
- ステップ3:要件定義(「どんな機能が必要か」を固める)
- ステップ4:比較検討(数社から提案をもらって比べる)
- ステップ5:発注決定(最終的に1社に決める)
営業がタイミングを外すのは、ステップ4の「比較検討」から参加しようとするからです。実はステップ1〜3の段階で、上記の「6人の関係者」が複雑に絡み合い、水面下でドラマが進んでいるのです。

購買タイミングを完璧に掴むための3つの解決策
では、見えないところで動いているお客様を、どうやって捉えれば良いのでしょうか? 具体的で小さな一歩から始められる解決策を提案します。
1. 「一人」を徹底的に味方につけ、社内情報を引き出す
全員に会うのは無理。だから、社内の「協力者」を作る。
6人全員に会うことは現実的ではありません。だからこそ、窓口担当者や推進者など、一人のキーマンを徹底的に味方につけます。「社内の会議では、どんな意見が出ていますか?」「予算の方は何か言っていますか?」と、間接的に「水面下の情報」を聞き出すのです。
次の商談で、「社内でこの話が出たとき、一番慎重な意見を言うのはどなたですか?」と聞いてみてください。
2. 「情報収集」を「提案」だと思って取り組む
見積もりを出す前に勝負は決まる。初期の対応こそ全力で。
「まだ情報収集の段階だから、簡単な資料だけでいいや」という手抜きは厳禁です。お客様が情報を集めている時こそ、彼らの心が動く最大のチャンスです。この段階で「この会社は信頼できる」「うちのことを分かっている」と思わせることが、契約への最短距離です。
お問い合わせが来たら、「参考までに」という資料に、一言「御社の業界では今、こういう課題が多いですよ」と付加価値のある情報を添えてください。
3. お客様の「心の動き」に活動をフィットさせる
営業プロセスの数字ではなく、お客様の「感情の温度」を見る。
「今、検討段階ですか?」とストレートに聞いても、本当の答えは返ってきません。それよりも、お客様がどんな情報を欲しがっているか、誰が会議に参加し始めたかという「変化」に敏感になってください。その変化こそが、海面下の氷山が動いているサインです。
過去に「時期尚早」と断られたリストを見直し、「その後、社内での状況に変化はありましたか?」と、近況を伺うメールを一通送ってみましょう。

今日からできる小さな一ステップ
「お客様のタイミングが掴めない」と悩むのは今日で終わりにしましょう。 まずは今日、「直近で受注を逃した案件」を一つ思い出してください。
その案件、実は見積もりを出すずっと前に、お客様の心は他社に決まっていませんでしたか? もしそうなら、どのタイミングで、どの関係者にアプローチできていれば結果が変わったでしょうか。この「振り返り」をすることが、次の売上を作るための第一歩です。
どんな「見えない商談」も制する、本物の営業戦略を貴社に
お客様の頭の中にある「氷山」を読み解き、水面下で進む検討プロセスを自社に有利に導く。これこそが、これからの時代に求められる高度な営業力です。
もし、
- 「検討します」と言われたきり、失注が続いている……
- 効率的に、かつ確実に契約を取れる組織にしたい……
- 営業担当者に、お客様の「裏側の動き」を読む力をつけさせたい……
と、本気でお考えの経営者・マネジャーの方は、ぜひ一度ご相談ください。 トレテクでは、科学的なデータと人間心理に基づいた、本質的な営業コンサルティングを提供しています。
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