商談で受注確度を見誤らないための「5W2H」ヒアリング術

「見積もりを出したのに、そこから全く進まない…」
「上司に『受注確度は?』と聞かれて、答えられなかった…」
「商談後に『あれ、これ聞いてなかったな』と気づくことが多い…」
営業の現場で、商談のヒアリングに課題を感じている方は多いのではないでしょうか。お客様から必要な情報は聞いたつもりなのに、いざ社内で検討しようとすると、肝心な情報が抜けている。受注確度を判断する材料が足りず、見込みがぶれてしまう…。
この記事は、そんな商談でのヒアリング不足に悩む営業担当者、そして営業組織の受注予測精度を高めたい経営者やマネジャーの方々のために書きました。
この記事を読めば、なぜ見積もり作成に必要な情報を聞くだけでは不十分なのか、その理由が分かります。そして、「5W2H」を使って組織の検討ステータスを確実に把握し、受注確度を正しく見極める方法が手に入ります。
多くの営業がやってしまう「見積もりのためだけ」のヒアリング
まず、多くの営業の方のヒアリングが、どんな感じになりやすいかというと、見積もりを作成するために必要なことを聞くという風になりがちです。
なりがちというか、普通にやるとそうなりますよね。
商談をする際に、ヒアリングをした後に、何らかの提案をする。提案する際に、見積もりを作らなくちゃいけない、提案書を作らなくちゃいけない。
そうすると、見積もりとか提案を作るために、最低限必要な項目を聞く、ということになります。
典型的なヒアリング項目
例えば、具体的な例を挙げると:
- 利用人数によって変動するようなサービスであれば、「何人の方々がご利用ですか?」
- SaaSであれば、「IDとしてはどのくらいのアカウントが必要ですか?」
- 「いつから利用開始ですか?」
- 「ご予算はどのくらいでしょうか?」
このように、見積もりを作るのに必要な項目を聞くという風になるのが、通常だと思うんです。
全くもって、これは否定することはありません。これらの情報は、確かに必要です。
「見積もりのためだけ」のヒアリングの落とし穴
しかし、一方で言うと、どうしても効率的に提案や見積もりを作るためだけのヒアリングというのをすると、お客様の検討背景とか組織の状況というのが、分からないままに商談を終えてしまうということがあります。
そうすると、何が起こりがちかというと、例えば、その商談が終わって、社内に持ち帰って上司に相談した時に、
「ちなみに、これって、何でそもそも今回のことが検討されているの?」
「あるいは、お客様って、過去にこういうことって検討されたことってないの?」
「あるいは、今回って、その東日本でっていうことだけど、西日本ではどうなってるの?」
こんな風に聞かれて、「あれ?それ聞いてなかったなぁ」みたいな。
こういうことって、よく起こりがちじゃないですか?

解決策:「5W2H」で組織の検討ステータスを聞く
さて、じゃあ、こういう時にどうしたら良いかという話なんですけれども、私は5W2Hというのは、すごく便利な枠組みだなぁと思っております。
5W2Hという言葉自体は、大体そのビジネスパーソンの方であれば、「聞いたことあるよ」という方が、ほとんどじゃないでしょうか。
すなわち、5W2Hと言われたら、何を表しているかということについての詳細は置いといて、言葉を聞いたことあるよという方が、ほとんどだと思うんです。
5W2Hとは?
念のため、5W2Hをおさらいしておきましょう。
- When(いつ): いつから検討しているのか、いつまでに決めたいのか
- Where(どこで): どの部署で、どの拠点で、どの範囲で
- Who(誰が): 誰が検討しているのか、誰が決裁するのか
- What(何を): 何を解決したいのか、何が課題なのか
- Why(なぜ): なぜ今なのか、なぜ検討することになったのか
- How(どのように): どのように検討を進めているのか
- How much(いくら): 予算はどのくらいか

「5W2H」を組織の共通言語にする
そうすると、「5W2Hで聞くんだ」ということさえ、ある程度の組織の共通言語にしておけば、何か、ヒアリングで「これ聞いておかなきゃな」という時に、「5W2Hで聞くんだった」と思い出して、そこで組織の検討ステータスについて聞くことができるんじゃないか、ということです。
「検討ステータス」とは何か?
検討ステータスって言ってるのは、検討の温度感としてどのくらいかということを、もちろん聞くのはもちろんなんですけれども、例えば、多くの会社で行われがちな営業の案件の受注確度の話。
例えば、営業が「この案件は30%の確率だと思います」「50%の確率だと思います」「70%の確率だと思います」みたいな。
こういう読み取りって、社内でよくされがちだと思うんですよ。
その時に、「まあ、その、なんでその確度なの?」「なんで50%なの?」とか「なんでこれ70%なの?」ってあるじゃないですか。
で、これが、担当者によって、または案件を担当する本人によって、ものすごくバラついていると、何が起こるかというと、着地見込みがぶれますよね。
受注確度を正しく判断するために必要な「背景情報」
その時、何が必要かというと、この案件の詳細、つまり、実際この案件がどのくらい受注確率として見込めそうかを判断するのに必要な背景情報というのが必要になってきますよね。
この背景情報というのが、まさしく、この5Wについて聞くような情報から、ヒントとして得られるんじゃないか、ということです。
5W2Hで聞くべき具体的な質問例
では、具体的にどんな質問をすれば良いのでしょうか?
When(いつ)
- 「この課題は、いつ頃から認識されていたんですか?」
- 「導入時期としては、いつ頃をイメージされていますか?」
- 「過去に、同じような検討をされたことはありますか?」
Where(どこで)
- 「今回は東日本での導入ですが、西日本では同じような課題はありませんか?」
- 「この課題は、御社全体の課題ですか?それとも特定の部署の課題ですか?」
Who(誰が)
- 「今回の検討は、どなたが主導されているんですか?」
- 「最終的な決裁は、どなたがされるんですか?」
- 「他に、この検討に関わっている方はいらっしゃいますか?」
What(何を)
- 「具体的に、どんな課題を解決したいと考えていらっしゃいますか?」
- 「理想の状態は、どんな状態ですか?」
Why(なぜ)
- 「なぜ、今このタイミングで検討されているんですか?」
- 「何かきっかけがあったんですか?」
How(どのように)
- 「他社様からも提案を受けていらっしゃいますか?」
- 「社内での検討プロセスは、どのように進められますか?」
How much(いくら)
- 「ご予算は、どのくらいを想定されていますか?」
- 「予算は、既に確保されていますか?」
「聞き漏らし」を防ぐ実践テクニック
この辺の話をすると、結構営業の方が、「どういうふうに聞き出したら良いかわからない」とか、「なんか、つい聞き漏らしてしまうんですよ」っていうのがあるんですけども。
私は、絶対に商談の中で、時間内に聞いてこい、みたいな指導をすると、何が起こるかというと、もうお客様のおっしゃる言葉に耳をよく傾けずに、とにかく、なんか、そのチェックリストを埋めるがごとく、「この項目は?次この項目は?」って聞いてしまいがちなので。
逆に、絶対に商談の最初に聞いていきなさいというよりも、いざとなったら、延長戦で電話で追加で聞けば良いやぐらいの感じですね。
ただ、もちろん、商談の当日は、自然な会話の流れっていうのをちゃんと大切にしながらも、追加で必要なことがあれば、ちゃんと追加でお電話で、「ちょっと先ほどのお時間の中で聞き切れなかったんですけれども」という形で聞けるような状態で商談を覚えておければ、まあ、一旦忘れて良いんじゃないかと。

「延長戦」で聞く前提を持つ
つまり、こういうことです。
- 商談中は、自然な会話の流れを大切にする
- 5W2Hを意識しながら聞けることは聞く
- 聞けなかった項目は、メモしておく
- 商談後、電話で「先ほど聞き切れなかったんですが…」と追加で聞く
この「延長戦で聞けば良い」という前提を持つことで、商談中に焦ってチェックリストを埋めるような聞き方をせずに済みます。
営業の「聞くべきこと」のスコープを広げる
大事なことは、その営業の方が、「何か聞いていないな」とか「これを聞かなくちゃいけないな」っていう枠内、このスコープが、見積もりを最低限作るのに必要な項目だけになってしまうと、毎回毎回、社内に持ち帰って上司と相談するときに、受注確度についてのその確からしさを、社内で検討・検証しようとした時に、情報が足りない、ということが起こってしまいます。
ですから、商談のヒアリングのときには、組織の検討ステータスについて、5W2Hを使って聞いておきましょうということですね。
これは、推奨したいということです。
実践のための3つのステップ
ここまでの話をまとめると、5W2Hを使って組織の検討ステータスを聞くためのステップは、以下の3つになります。
ステップ1:5W2Hのチェックリストを作る
商談前に、5W2Hに沿った質問リストを作成しておきます。
ただし、これはチェックリストとして機械的に聞くためのものではなく、「聞き漏れがないか確認するため」のものです。
ステップ2:商談中は自然な会話を優先する
商談中は、お客様の話をよく聞き、自然な会話の流れを大切にします。
5W2Hは頭の片隅に置きつつ、お客様が話してくれたことをメモしていきます。
ステップ3:商談後に「延長戦」で聞き漏れを補完する
商談後、5W2Hのチェックリストを見返し、聞けなかった項目をピックアップします。
そして、お客様に電話やメールで、「先ほどのお時間で聞き切れなかったのですが、より良い提案をさせていただくために、追加でいくつかお聞きしても良いですか?」と連絡し、残りの情報を聞き出します。

まずは「なぜ今なのか?」を聞いてみよう
この記事を読んで、何か気づきを得られたでしょうか?
商談でのヒアリングは、見積もりを作るためだけではなく、受注確度を正しく見極めるためにも重要です。5W2Hを意識することで、お客様の検討背景や組織の状況を深く理解できるようになります。
とはいえ、いきなり全てを聞くのは難しいかもしれません。でしたら、まずは小さな一歩から始めてみませんか?
次の商談で、「なぜ、今このタイミングで検討されているんですか?」という質問を、必ず聞いてみてください。
たったこの一つの質問で、お客様の検討の本気度、緊急度、背景が見えてきます。そして、受注確度を正しく判断できるようになり、売上予測の精度が上がっていくのです。
受注予測の精度を高めたい経営者の方へ
あなたの会社の営業担当者は、商談で必要な情報を確実に聞き出せているでしょうか?
多くの営業組織では、メンバーが見積もり作成に必要な情報しか聞いておらず、受注確度を判断する材料が不足しています。その結果、売上予測がぶれ、経営判断に支障をきたしています。
しかし、5W2Hを組織の共通言語にし、検討ステータスを確実に把握する仕組みを作れば、受注予測の精度は大きく上がります。営業チーム全体が同じ基準で案件を評価でき、確実な売上計画が立てられるようになるのです。
もし、
- 営業チーム全体の受注予測精度を高め、経営の安定性を上げたい…
- メンバーが確実に必要な情報を聞き出せる仕組みを作りたい…
- ヒアリング力を強化し、営業の受注率を高めたい…
と、本気でお考えの経営者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。
トレテクでは、単なるヒアリング技術の提供ではなく、組織全体で受注確度を正しく見極め、確実に売上を作る仕組みづくりを支援しています。それが最終的に、貴社の安定的な売上成長と、確実な契約獲得につながることをお約束します。
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