反応が薄いお客様を前のめりにする「探索的営業」の技術

「何を投げかけても、『大丈夫です』としか言われない…」
「資料を説明しても、『このまま進めてください』と受け身のまま…」
「最後まで説明しても、『社内で持ち帰って検討します』で終わってしまう…」
営業の現場で、反応が薄いお客様との商談に苦戦している方は多いのではないでしょうか。どんなに一生懸命説明しても、お客様の温度感が全く上がらない。次の展開に持っていけず、結局、案件が前に進まない…。
この記事は、そんな反応の薄いお客様との商談に悩む営業担当者、そして営業組織の受注率を高めたい経営者やマネジャーの方々のために書きました。
この記事を読めば、お客様の本当の関心がどこにあるのかを探り当て、反応が薄い状態から前のめりな状態へと変える、具体的な「探索的営業」の技術が手に入ります。
「大丈夫です、進めてください」の壁を越えられない営業たち
反応が薄いお客様との商談は、本当に難しいものです。
資料を説明している途中で、「ここまでのところ、いかがでしょうか?」と聞いても、「大丈夫です。このまま進めてください」と言われる。
あるいは、「一旦、最後までお聞きします」と言われ、最後まで説明を聞いてもらえたものの、結局「社内で持ち帰って検討します」で終わってしまう。
営業としては、次の展開に持っていきづらい。さあ、どうしましょうか…?
これは、多くの営業担当者が直面する、共通の悩みです。そして、この状況を打破できるかどうかが、売上や契約数を大きく左右するのです。

なぜお客様の反応は薄いのか?3つの理由
お客様の反応が薄いのには、それなりの理由があります。まずは、その理由を理解することから始めましょう。
反応が薄い理由は、大きく分けて3つあります。
理由1:別のところに関心がある
話を聞いている領域について、全く関心がないわけではない。しかし、それ以上に心を奪われている領域が存在する、というケースです。
例えば、あなたが「業務効率化」について話しているとき、お客様の本当の関心は「人材育成」にあるかもしれません。効率化も重要だとは思っているけれど、今はそれよりも人の問題の方が気になっている、という状態です。
理由2:関心はあるが、考えがまとまっていない
関心のある領域ではあるのだけれど、そこに関して自分がどういうふうに感じているのか、どう判断すべきなのか、うまく考えきれていない、というケースです。
「確かに重要な話だとは思うけれど、正直、どこから手をつけていいのか分からない」 「興味はあるけれど、自社にとって本当に必要なのか、まだ判断できない」
このような状態では、お客様は積極的な反応を示せないのです。
理由3:コンテンツのレベルが届いていない
興味がある領域なのだけれども、正直なところ、営業が提供しているコンテンツのレベルが、お客様の期待するレベルまで届いていない、というケースです。
これは厳しい現実ですが、「期待していたよりも浅い内容だな」「もっと具体的な話が聞きたかったのに」と、お客様ががっかりしている可能性もあるのです。

多くの営業が持っていない「確かめるすべ」
反応が薄いお客様との商談で、最も大きな問題は何でしょうか?
それは、営業の側が、お客様の感触を確かめるすべを持っていないということです。
お客様の関心領域に合っているのか?関心はあるけれど、この内容が響いているのか?これらが分からないまま、営業は手探りで進めるしかありません。
多くの営業担当者は、反応を確かめるために、こう聞きます。
「何か気になるところはありませんか?」 「ご質問はありませんか?」
しかし、残念ながら、このような聞き方では、お客様のホットなアンテナがどこに向いているのか、そのアンテナに引っかかるかどうかを確かめることはできないのです。
では、どうしたら良いのでしょうか?
解決策:「二択で聞く」探索的営業の技術
結論から言います。
私がおすすめするのは、「二択で聞く」という方法です。
これが、最も確率が高く、かつ技術として習得しやすいアプローチだと考えています。
「二択で聞く」とは、つまり、「AとBだと、どちらですか?」と聞くということです。
日常会話での例:旅行の話
少し、日常会話で例えてみましょう。
友達が、「暖かいところに行って、のんびりしたいよね」と言ったとします。
このとき、あなたはこう聞くかもしれません。
「暖かいところって、沖縄みたいな国内でのんびりしたいって話?それとも、バリ島とかセブ島みたいな南国でバカンスしたいって話?どっち?」
すると、沖縄に行きたいのか、セブ島に行きたいのかで、全く違う話になりますよね。「どっちに近いの?」と聞かれたら、何らかのリアクションを示せるわけです。
もし、友達がずっと前から、セブ島とかに興味を持っていたんだ、ということが分かれば、その後の会話はものすごく弾みます。
ただし、それはある程度探らないと分からないのです。
営業での応用:お客様の関心を探る
営業でも、同じことが言えます。
お客様の関心がどこにあるのかを探るようなコミュニケーション、つまり「どっちなのか?」を聞くことで、お客様の関心どころを理解した状態で進められます。結果として、受注に行き着きやすくなるのです。
例えば、
「御社の課題は、業務プロセスの効率化と、メンバーのスキル不足、どちらの方が優先度が高いですか?」
「今回の導入の目的は、コスト削減と、品質向上、どちらに重きを置かれていますか?」
「導入時期としては、今期中のスタートと、来期からのスタート、どちらが現実的でしょうか?」
このように、二択で聞くことで、お客様は自分の考えを整理しやすくなり、明確な反応を返しやすくなるのです。
「尋問」にならないための重要なポイント
ここで、注意が必要です。
いきなりお客様と会った瞬間から、
「お客様の関心は、AかBか、どっちに近いですか?」
「そうですか。じゃあ、次にCかDかだと、どっちに近いですか?」
「なるほど、なるほど。では、EかFかだと、どっちに近いですか?」
と、立て続けに聞いていくと、尋問口調で、問い詰められているような感じになってしまいます。
これは、良くありません。

例外:お客様が「診断」を望んでいる場合
もちろん、お客様がそういうことを望んでいる場合もあります。
例えば、私たちがお医者さんに行って、悪いところを診てもらうというのは、診断されることを望むわけです。なぜなら、悪いところを治してほしいからです。
だから、お医者さんは聞きます。
「しくしくする感じなのか、ズキズキ大きく痛むのか、どっちですか?」 「昨日ぐらいから痛み始めたのか、数日前からなのか、どっちですか?」
このように診断的に聞いても許されるのは、あらかじめ、解決してほしいという準備が整った状態だからです。
解決策:「混ぜるけど、連続させない」
では、そうでない時期、つまりお客様がまだ「解決してほしい」という準備ができていない段階では、どうしたら良いのでしょうか?
答えは、「AかBか」みたいな選択肢を混ぜるけれど、連続させないということです。
二択の質問を混ぜながら進めるのですが、連続させすぎず、お客様の興味関心のアンテナにヒットするところに行くまでは、静かに進んでいくのです。
そんなに派手に温度感が上がるわけではないけれど、少しずつ、静かに進んでいく。
そして、お客様の温度感が上がる瞬間が訪れたら、「じゃあ、ちょっと今のところ、もう少し詳しく聞かせていただけますか?」という形で、深く聞いていくわけです。
これが、探索的な商談の進め方の本質です。
「探索的営業」が、反応の薄いお客様に効く理由
基本的には、反応が薄いお客様を前のめりにする商談の進め方は、この探索的な商談の進め方に尽きるのではないか、と私は考えています。
もちろん、例外的に、情熱、勢い、パワーで、プレゼンテーションによって火をつけられる方というのは、存在します。百人中数人、といった感じでしょうか。
そういうエネルギーとスキルがある方は、そのアプローチで全然良いと思います。
ただ、私自身は、それほど話すのが得意ではありませんし、熱量を表に出せるようなタイプでもありません。
ですから、「じゃあ、技術でどうやって引き上げるか」という考え方でいくと、探索的な商談の進め方で、選択肢を二択にして聞く。これを、アップテンポになりすぎないようにする。
そうすると、だんだんお客様との会話が、様子を見ながら進めていく、という感じになっていくのです。
商談時間の50%を「探索」に使う
ここで、重要なポイントがあります。
営業としては、確かめなくてはいけないことや、伝えなくてはいけないことが、それはそれであります。
例えば、「この資料で説明しなくてはいけない」とか、「購買プロセスで確認しなくてはいけない」というものがありますよね。
しかし、この「しなくてはいけない」という部分が、例えば商談時間の90分だとして、そのうちの60分を占めていると、当然ながら、探索的な時間が取れないわけです。
ですから、私のおすすめは、商談時間の全体が100%だとすると、少なくとも50%を、探索的な時間の使い方にするということです。
そう考えると、案外、説明できる量のボリュームは限られています。こちら側の意図通りに進めたい、伝えたい、というところは、そんなに多くないんじゃないかな、と思うわけです。
具体的な時間配分の例
60分の商談であれば:
- 30分:探索的な時間(二択の質問を使いながら、お客様の関心を探る)
- 30分:説明や確認の時間(資料説明、プロセス確認など)
90分の商談であれば:
- 45分:探索的な時間
- 45分:説明や確認の時間
このバランスを意識するだけで、お客様の反応は大きく変わります。

まずは「二択の質問」を3つ準備してみよう
この記事を読んで、何か気づきを得られたでしょうか?
反応が薄いお客様を前のめりにするためには、一方的に説明するのではなく、お客様の関心を探りながら進める「探索的営業」が効果的です。
とはいえ、いきなり商談のスタイルを変えるのは難しいかもしれません。でしたら、まずは小さな一歩から始めてみませんか?
次の商談の前に、お客様に投げかける「二択の質問」を3つだけ準備してみてください。
例えば、
- 「御社の優先課題は、○○と△△、どちらですか?」
- 「導入の目的は、コスト削減と品質向上、どちらに重きを置かれていますか?」
- 「スタート時期は、今期中と来期から、どちらが現実的でしょうか?」
この3つの質問を、商談の中で、連続させずに、タイミングを見ながら投げかけてみてください。
お客様の反応が変わります。温度感が上がる瞬間が訪れます。そして、その瞬間を逃さずに深掘りすることで、受注への道が開けるのです。
売上を最大化したい経営者の方へ
あなたの会社の営業担当者は、反応の薄いお客様に対して、どのようなアプローチをしているでしょうか?
多くの営業は、一方的に説明し、お客様の反応が薄いまま商談が終わってしまいます。そして、「社内で検討します」という言葉を最後に、案件が消えていきます。
しかし、「探索的営業」の技術を身につければ、反応が薄いお客様も前のめりに変わります。お客様の本当の関心を探り当て、的確な提案ができるようになります。結果として、受注率が上がり、売上が伸びるのです。
もし、
- 営業チーム全体の受注率を高め、売上を最大化したい…
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と、本気でお考えの経営者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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