営業の成長を加速させる「学習加速」の始め方

「毎日同じような商談を繰り返していて、成長している実感がない…」
「経験は積んでいるはずなのに、スキルが上がっている気がしない…」
「日報や商談報告を書いても、何の意味があるのかわからない…」
営業の現場で、こんな停滞感を感じている方は多いのではないでしょうか。毎日忙しく働いているのに、成長している実感が持てない。経験を積んでいるはずなのに、数ヶ月前と何も変わっていない気がする…。
この記事は、そんな成長の停滞感に悩む営業担当者、そして営業組織の人材育成を加速させたい経営者やマネジャーの方々のために書きました。
この記事を読めば、経験を確実に成長につなげる「経験学習サイクル」の回し方が分かります。そして、自分の成長をゲームのように楽しみながら、営業としてのスキルを加速的に高めていく方法が手に入ります。

経験学習サイクルとは?成長の仕組みを理解する
まず、経験学習サイクルとは何か、について説明します。
これは、デイビッド・コルブという学者の方が提唱した理論なんですが、すごくざっくり言うと、以下のようなサイクルです。
- 経験する:何かいつもと違う経験をする
- 振り返る:その経験を振り返る
- 内省・言語化する:内省してキーワード化する、言語化する
- 新しいトライ:それをまた新しいトライにつなげて、新しいことを試してみる
そうすると、その試してみた結果、また新しい経験が起こり、新しいその経験というのを振り返り、そしてその振り返りを内省して言語化する。そしてまた新しいことを試す。
これをぐるぐる回していくというのが、人の成長スピードに響いてくるんじゃないか、という話です。

経験学習サイクルを「ゲーム」として楽しむ
私は、これをぐるぐる回すのを、いわば一種のゲームのように考えたら良いんじゃないかというふうに思っております。
ゲームの「レベル上げ」に例えると
例えば、ゲームの中で「レベル上げ」ってやつあるじゃないですか。
例えばドラクエなんかで言うと、経験値を貯めてレベルを上げるということを、例えば、その冒険の範囲を広げるんじゃなくて、ある一時期は、この街とかお城の周りをぐるぐる回って、そして、モンスターと戦って経験値を上げて、レベルを上げていくことにフォーカスする。
なぜ私がゲームのようにやると言っているかというと、それは、何か自分を没頭させる仕組みというのが、この経験学習サイクルと非常に相性が良いんじゃないかというふうに思っているんですね。
「地道な成長」を楽しむ仕組み
というのが、だいたいレベル上げって、地道じゃないですか。
地道ってのは何かというと、コツコツとやっていきながら自分を成長させていくということなんですけれども、割とその経験学習サイクルって、自分の内部の認識に関するものだと思うんです。
例えば営業で言えば、期間中にめきめき受注の数字が伸びるとか、何か新しい企画提案にチャレンジするといった派手な動きが伴うとは、必ずしも限らないですし、まあ場合によっては、営業の数字が目に見えて伸びない期間もあったりするわけです。
だけれども、自分の中に、この確かな成長の手応えというものを一つの楽しみとして感じられるような状態というのを作れたら、例えば一定期間、なかなかこの表に目に見える結果が出ないといえども、この自分自身の成長というのを楽しむことができる。
これが、営業パーソンとして成果を上げていくことに、長期的にはつながるんじゃないか、という話です。
「学習加速」の具体的な進め方
じゃあ、具体的にこれをどうやって回していったら良いかということなんですけれども、一人でやっていく場合ですと、まず、何もない日常からだと、やっぱり経験学習サイクルって回りにくいんですよね。
ですので、普段の提案活動の中に、少なからずいつもと違った行動を試みるということが含まれると、そのゲームのインパクトが増していくわけです。
同じ日常から学び取るというのは、なかなか難しいんですけど、その日常の中に変化を加えるということですよね。
ステップ1:いつもと違うことを試してみる
そうすると、何か違ったことというのが起こるわけなんですけど、まずこれを、いつもの日常と、今回何か違ったことをやってみた結果ということを、自分の中で比較をしてみるわけですね。
例えば、具体的な例を挙げると、商談でいつも使っているトークがあります。
いつものトーク: 「当社の強みは、この3つです」
みたいな感じで話しているものがあるとするじゃないですか。
じゃあ、試しに、その「強みは3つ」という風な表現を、全く別の言葉に置き換えて、
新しいトーク: 「よくお客様から、こういうことをコメントとしていただくんです」
みたいな風に、少しストーリーを混ぜた伝え方をやってみる。
まあ、いつもと違うわけですね。いつもは、「3つの強みがあります」っていう風に、その1枚のスライドを基にロジカルに伝えているんだけれども、ある時、「こういうコメントいただくことがあります」みたいな風に、ちょっとやり方を変えてみる。
そうすると、当然お客様の反応というのが、若干違ってくるわけです。
ステップ2:商談後に30分、じっと振り返る
ただ、違ってくるって言ったもんですね、商談してる最中は、そんなにそういったところをのんびり考えている時間はないですから、商談中は、とにかく目の前のお客様に対して必死に良い商談をやるわけなんですけれども。
大事なポイントは、その後に、振り返りの時間をとるということですね。
できたら、静かに、じっと自分が考えられる時間、具体的に目安で言うと、少なくとも30分は、その件について考えられる時間というのを確保するのがお勧めであります。
その30分間、じっと考えてみるわけなんですけれども、どういう風に考えるかというと:
振り返るべきポイント:
- 今回って、何がいつもと違ったんだっけ?
- 具体的に、お客さんの反応って、どんな風に違いが現れてきたのか?
- コメントの中身かもしれないし、表情といった目に見える経験かもしれない
- 言葉に現れないというところかもしれないし、あるいは商談として次の展開に繋がったか繋がらないか、みたいなこともあるかもしれない
こういった、いつもと違う何かがあっただろうかということを、振り返ってみる。
ステップ3:A4一枚にノートに書き、キーワード化する
で、その振り返っていくうちに、例えば、これをノートに書いていくとするじゃないですか。
そうすると、そのノートというのが、ある程度の量になってくるわけです。30分間近く振り返っていくと、だいたいA4一枚ぐらいになっります。
これを、眺めてみて、どんな風にキーワードができるかなということを考えてみるわけです。
キーワード化というのは意味のある活動で、人間の脳みそというのは、関連付けというものがされると、強く記憶に定着させられるという性質があります。
ですから、例えば一つのキーワードにひも付けて、今日の経験からの学びという風にしておくと、それは残るわけですよね。
例:「ストーリーは大事」というキーワード
で、キーワードをつける。例えば、お客様の反応が、「3つの強みがあります」みたいな風に箇条書きで説明している時に比べると、「いや、実は以前お客様でこういうことがありまして、こういうコメントいただいたんです」ってこうストーリーで伝えてみたら、全然お客様の反応が違った、ということが仮にあるとしましょう。
そうすると、ああ「ストーリーは大事」かも、みたいな風なキーワードができるわけですね。
ステップ4:新しいトライを決める
じゃあ、この「ストーリーは大事」っていうことが、今回の学びだとするじゃないですか。
そしたら、次に何をやってみるかということを、新しく試すことを決めるわけですよね。
新しく試すことっていうのは、例えば、「ストーリーは大事」といっても、いろんな方向性がありますよね。
これをもう一回同じような感じで、いつもと違ったトライということで、ストーリーを使って、お客様に対して強みを説明するってことで、やってみても良いと思います。
ただ、そうすると、また同じように、やっぱりこういうのいいんだっていう再確認はできるかもしれませんが、もう少し違った方向に学びを応用するのであれば、例えば、自社の強みを伝えるという場面以外にも、ストーリーを使ってみたらどうか、とこういうふうに考えてみるわけですね。
例:プレゼン全体にストーリーを応用する
例えば、今までは提案資料を、ロジカルに説明して、無駄のない話をするみたいな感じでやってみたんだけれども、あえてプレゼンの途中で少し脱線をして、過去の事例をストーリー形式で少しこう伝える時間というのを、短時間入れてみたらどうか。
例えば、その1枚を基に、「実は当社のお客さんで、こういうことがありまして」という風に、何かストーリー的なことを伝えてみるということです。
そうすると、資料のプレゼンの話し方っていうのが、だいぶ変わってくるわけじゃないですか。
じゃあ、こういうことをやってみたら、お客さんの反応がどんなふうに変わったかっていうことを、また振り返ってみるわけです。
「学習加速」の3つのルール
これって、ある種の実験をやっているようなものなんですが、これが、自分の中でどんなふうに学びとして昇華されるのかっていうことに対して、ある程度、確信的な感じでやっていくわけです。
それはどういうふうに考えるか。
ルール1:ちゃんと振り返る時間をとる
商談後、必ず30分、振り返りの時間を確保する。
ルール2:振り返る時間の中で、必ず何かのキーワードに落とし込む
A4一枚にノートに書き出し、必ずキーワード化する。
ルール3:キーワードに落とし込まれたら、何かをまた試してみる
新しいトライを必ず決める。
で、これをぐるぐる回していくということを、やっていく。すると、だんだん成果につながってくるという手応えが得られてくると思います。
ただ、それの手前段階で、自分自身のレベルアップが楽しい状態を作っていくと良いんじゃないかというのが、今回の私からの提案です。

なぜ「ゲーム」なのか?楽しさが継続の鍵
これは、「学習加速」というふうに呼んでいるんですけれども、自分の中でのこの振り返りっていうのは、例えば、上司から言われて、「日報書きなさい」とか、「商談報告書きなさい」って言われたら、なんか気持ちが乗らないなって感じる営業の方もいらっしゃるかもしれません。
でも、自分の中で、個人的に、「いや、今自分は学習加速というゲームをプレイしてるんだ」と思ってみます。
でこのゲームのプレイというのは、ルールとかシステムがあって、
- 何か新しい経験をしたら、必ず振り返る時間を取り
- 振り返る時間を取ったら、必ずキーワードに落とし込み
- キーワードに落とし込んだら、次の新しいトライを必ず決める
みたいな感じで、自分の中で個人的なルールを決めます。そうすると、だんだん商談活動とか営業の状況に変化が出てくるわけですよね。
この変化が出てくるってことに対して、営業として自分が成長できているかどうかという目で見てみると、何かできることが広がっている気がするとなっていれば、この学習加速というゲームがしっかり機能しているということになります。
実践ワーク:今日から始める「学習加速」
では、具体的にどう始めれば良いのでしょうか?以下のワークをやってみてください。
ワーク1:次の商談で「いつもと違うこと」を1つ決める
明日の商談で、いつもと違うことを1つだけ試してみてください。
例:
- いつもはロジカルに説明している部分を、ストーリーで伝えてみる
- いつもは質問しない角度から、お客様に質問してみる
- いつもは使わない言葉を、意図的に使ってみる
ワーク2:商談後、30分の振り返り時間を確保する
商談が終わったら、30分、静かに振り返る時間を確保してください。
スケジュールに「振り返り時間」として、あらかじめ予定を入れておくと良いでしょう。
ワーク3:A4一枚に書き出し、キーワードを1つ決める
振り返った内容を、A4一枚のノートに書き出します。
そして、今日の学びを表すキーワードを1つ、決めてください。
ワーク4:次の新しいトライを1つ決める
そのキーワードを基に、次に試してみることを1つ、決めてください。
そして、実際に次の商談で試してみます。
これを繰り返すことで、あなたの「学習加速」ゲームが始まります。
まずは「30分の振り返り」から始めてみよう
この記事を読んで、何か気づきを得られたでしょうか?
営業の成長を加速させるためには、ただ経験を積むだけでは不十分です。経験を振り返り、言語化し、次のトライにつなげる。この経験学習サイクルを、ゲームのように楽しみながら回すことが重要なのです。
とはいえ、いきなり全てを完璧にやるのは難しいかもしれません。でしたら、まずは小さな一歩から始めてみませんか?
次の商談が終わったら、30分だけ、静かに振り返る時間を取ってみてください。
スマホを見ず、メールもチェックせず、ただ今日の商談について、じっと考える。たったこれだけで、あなたの成長スピードは変わり始めます。

成長し続ける営業組織を作りたい経営者の方へ
あなたの会社の営業担当者は、日々の経験から確実に学び、成長し続けているでしょうか?
多くの営業組織では、メンバーが毎日商談をこなしているものの、経験が成長につながっていません。その結果、同じ失敗を繰り返し、スキルが停滞しています。
しかし、経験学習サイクルを回す仕組みを組織に根付かせることができれば、メンバーの成長スピードは劇的に上がります。経験が学びに変わり、学びが行動に変わり、行動が成果に変わるサイクルが回り始めるからです。
もし、
- 営業チーム全体の成長スピードを加速させ、売上を最大化したい…
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