「段取り力」がない営業が抱える4つの問題と、改善の3つの極意 

「毎日遅くまで働いているのに、なぜか売上が上がらない……」

「メンバー(部下)がいつもバタバタしていて、受注のチャンスを逃している気がする……」

経営者や営業マネジャーとして日々奮闘しているあなたは、こんな悩みを感じていませんか?実は、成果が出ない最大の原因は「個人の能力」ではなく、仕事の「段取り」にあるかもしれません。

この記事を最後まで読めば、段取りが悪い人の正体がわかり、明日からチームの営業力を劇的に高める具体的な方法が手に入ります。確実に契約を勝ち取り、売上を伸ばし続ける組織へと進化するためのヒントを、中学生でもわかるように丁寧に解説します。

目次

「頑張っているのに成果が出ない」という落とし穴

営業の現場では、よくこんな光景を目にします。 夕方、オフィスに戻ってきたメンバーが「今日も忙しかったです!」と報告してくる。でも、肝心の受注報告は一向に上がってこない。あるいは、大切なお客様への見積書の提出が遅れ、競合他社に契約を取られてしまう……。

「一生懸命やっているのはわかるけれど、なぜ結果に結びつかないのか?」

その答えは、多くの場合「段取りの悪さ」に集約されます。段取りが悪いと、どれだけ営業のセンスがあっても、その実力を100%発揮することはできません。まずは、段取りが悪いことで引き起こされる「4つの大きな損失」を整理してみましょう。

1. 仕事の効率がガクンと落ちる

当たり前のことですが、段取りが悪いと一つの作業に余計な時間がかかります。パズルをバラバラの状態から組み立てるようなもので、どこから手をつけていいか迷っている間に、貴重な営業の時間が奪われていくのです。

2. ストレスがどんどんたまる

「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と頭の中が整理されていない状態は、脳にとって大きな負担です。常に何かに追われている感覚になり、経営者もメンバーも精神的に疲れ切ってしまいます。

3. 期待通りの成果が出ない

料理を想像してみてください。レシピ通りに作っているはずなのに、段取りが悪いと麺が伸びたり、冷めたりして、おいしく仕上がりません。営業も同じです。お客様が「今ほしい!」と思っているタイミングを逃せば、どんなに良い提案でも受注には至りません。

4. 周囲のメンバーに迷惑をかける

仕事は一人で完結するものではありません。一人の段取りが悪いと、プロジェクト全体が遅れ、周りのメンバーのフォローが必要になります。これが積み重なると、組織全体の士気が下がり、売上にも悪影響を及ぼします。

段取り力を劇的にアップさせる3つのポイント

では、どうすれば「段取りがいい人」に変われるのでしょうか?私はこれまで多くの営業現場を見てきましたが、段取り力は才能ではなく「技術」です。具体的には、次の3つの要素をマスターするだけで、仕事のスピードと精度は劇的に変わります。

ポイント①:「優先順位」と「手順」の違いを正しく理解する

順番を変えられるのが「優先順位」、変えられないのが「手順」です。 これらを混同せず、パズルを組み合わせるように配置することが、段取りの第一歩です。

多くの人が「優先順位」と「手順」を同じものだと考えています。しかし、ここを切り分けることが非常に重要です。

  • 手順(変えられないもの):例えば、パスタを茹でる前に、お湯を沸かす必要がありますよね。お湯を沸かす前にパスタを鍋に入れることはできません。これが「手順」です。
  • 優先順位(変えられるもの):お湯を沸かしている間に、パスタの袋を開けて重さを量るか、あるいはソースの準備をするか。これは自分で選べます。これが「優先順位」です。

営業活動でも、「お客様に電話する」というタスクがあったとき、その前に「資料を準備する」という手順が必要な場合があります。でも、資料を準備する時間をいつにするかは、優先順位の問題です。

まずは、仕事を「タスク(小さな作業)」と「プロジェクト(タスクの集まり)」に分解し、手順を変えられない塊(モジュール)として整理してみましょう。

ポイント②:仕事を「分解」して、共通点を見つける

大きな仕事を小さなタスクに分けることで、効率の良い「組み合わせ」が見えてきます。 一つ一つの作業を細かくバラすことで、スキマ時間を有効活用できるようになります。

例えば、「提案書を作る」という大きな仕事をそのまま放置してはいけません。

  1. 過去のデータを集める
  2. 構成を考える
  3. グラフを作成する
  4. 見直しをする

このように分解します。すると、「データ集めは、別の案件のついでにできるな」「構成を考えるのは、集中できる朝にやろう」といった工夫ができるようになります。

段取りが良い人は、これらの小さなタスクを「いつ、どの順番でやれば、お湯が沸くのを待つようなムダな時間がなくなるか」を常に考えています。営業において、複数の契約を並行して進めるためには、この「分解して組み合わせる力」が欠かせません。

ポイント③:「時間管理」をタスク処理時間で考える

結論:各作業に何分かかるかを正確に把握することで、精度の高い計画が立てられます。 「だいたいこれくらい」という感覚を捨て、具体的な数字で時間を予測しましょう。

段取りが悪い人の特徴に「安請け合い」があります。経営者やお客様から「これ、明日までにできる?」と言われて、根拠もなく「はい!」と言ってしまう。そして結局終わらずに信頼を失う……。

これを防ぐには、自分の「タスク処理時間」を知る必要があります。

  • 見積書を1枚作るのに何分かかるか?
  • お客様へのメール返信に平均何分かかるか?
  • 提案書に必要な情報を、他部署のメンバーから聞き出すのにどれくらい待つ必要があるか?

これらを日頃から測っておくのです。もし「見積書作成に30分かかる」とわかっていて、かつ「必要な情報をもらうのに3時間はかかる」とわかっていれば、「明日の朝なら提出できます」と、根拠のある回答ができます。これが、プロとしての営業の姿です。

今日からできる!段取りマスターへの第一歩

「自分は段取りが苦手だ……」と思っている方も、安心してください。まずは、身近な小さなことからトレーニングを始めましょう。

今日、料理をする機会があれば(あるいは仕事の準備でも構いません)、「お湯を沸かしている間に、次にやるべき準備を3つ終わらせる」と決めて動いてみてください。 「何かが終わるのを待つ時間」をゼロにする行動をとってみてください。

この意識を持つだけで、脳は自然と効率的な手順を探し始めます。

仕事なら、「PCが立ち上がるまでの30秒で、今日の手帳を確認する」「資料を印刷している間に、机の上を片付ける」といった、本当に小さなことからで大丈夫です。この積み重ねが、やがて大きな売上を作るための強力な武器になります。

組織の「段取り」を変えれば、売上は勝手に上がる

営業メンバーの一人ひとりの段取り力が上がると、組織は劇的に変わります。 無駄な残業が減り、メンバーは心の余裕を持ってお客様と向き合えるようになります。余裕があるからこそ、お客様の細かな悩みに気づくことができ、それが信頼に繋がり、結果として受注率が高まっていくのです。

もし、あなたが今、 「営業チームの数字が伸び悩んでいる」 「メンバーが忙しそうにしている割に、契約が決まらない」 「マネジメントの仕方がわからず、自分ばかりが忙しい」 と悩んでいるのであれば、それは「段取りの仕組み」を組織に導入するタイミングかもしれません。

営業は根性論ではありません。正しい手順と優先順位、そして時間管理に基づいた「科学的なアプローチ」こそが、安定した売上と経営の安定をもたらします。

トレテクでは、これまで多くの企業の営業組織を立て直し、契約率を向上させてきた実績があります。単なるノウハウの提供ではなく、貴社の現場に即した「一生使える段取り術」をメンバーの皆さんに定着させるお手伝いをします。

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トレテク代表 久保埜 実(くぼの みのる)
セールスパーソン戦力化コンサルタント
【著者プロフィール】

医療系企業の営業職として従事しながら、“セールスパーソン戦力化コンサルタント”として、東京都八王子市と日野市を中心に事業を展開。
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