今のマニュアルで売上が伸びない方へ 現場が納得して動き、受注を増やす4つの戦略

「せっかく営業のマニュアルを作ったのに、誰もその通りに動いてくれない……」

そんなふうに、現場とのギャップに頭を抱えている経営者や営業マネジャーの方は多いのではないでしょうか。

この記事を読めば、なぜあなたの会社の「営業の型」が浸透しないのか、その根本的な原因がわかります。そして、社員が自ら進んで動き出し、着実に契約を勝ち取って売上を伸ばし続けるための、具体的でシンプルな解決策が手に入ります。

目次

「マニュアルを作っても売れない」という現実

あなたの会社の商談ルームや、営業車の中を想像してみてください。

気合を入れて作った分厚い営業マニュアル。そこには、挨拶の仕方から商品の説明、断られた時の切り返しまで、細かく書かれているはずです。

しかし、現場の営業担当者たちはどうでしょうか。 成績の良い「ハイパフォーマー」と呼ばれる社員は、「自分のやり方があるから」とマニュアルを無視して独自の動きをしています。

一方で、成績が伸び悩んでいる社員は、マニュアルの項目を埋めることだけに必死になり、目の前のお客様の顔を全く見ていません。

結果として、受注は増えず、会議では「なぜマニュアル通りにやらないんだ!」という怒号が飛び交う……。そんな、ボタンの掛け違いのような状況に陥っていませんか?

この「のれんに腕押し」のような状態は、経営者にとって最もストレスが溜まる瞬間です。これでは目標とする売上を達成するどころか、組織の雰囲気まで悪くなってしまいます。

なぜ「営業の型」は失敗するのか?やってはいけない3つの勘違い

多くの企業が「営業の型」を作ろうとして失敗するのには、共通した「勘違い」があります。まずは、あなたの会社がこの罠にはまっていないかチェックしてみましょう。

勘違い①:「型」=「ガチガチのマニュアル」だと思っている

一番多い間違いは、「型」を「一言一句その通りに話すべき台本」や「入力必須の細かいフォーマット」だと考えてしまうことです。

営業は「人と人」の対話です。それなのに、ロボットのように決められた言葉をなぞるだけでは、お客様の心は動きません。あまりに細かすぎるルールは、社員の「自分で考える力」を奪い、個性を押し殺してしまいます。

勘違い②:項目を埋めることが「目的」になっている

「BANT(バント)情報をしっかり聞き出せ!」と指示を出している会社も多いでしょう。

BANT(バント)とは?

  • Budget(予算):予算はいくらあるのか
  • Authority(決済権):誰が決めるのか
  • Needs(必要性):本当に困っているか
  • Tameframe/timing(時期):いつ導入するか

これら4つの頭文字をとった、営業で聞くべき基本項目

しかし、これを「型」にしてしまうと、営業担当者は「この4つの空欄を埋めなきゃ!」と必死になります。

すると、お客様の悩みや反応をそっちのけで、まるで「尋問」のような質問攻めをしてしまうのです。これではお客様は不快になり、契約から遠ざかってしまいます。

勘違い③:一度作ったら「そのまま」にしている

市場の状況やお客様のニーズは、日々変わります。それなのに、数年前に作った「型」を「これが正解だから」と押し付けていませんか?

現場で「使いにくい」「この通りにやっても売れない」という声が出ているのに、それを無視して浸透させようとするのは、穴の開いたバケツで水を汲むようなものです。

成果が劇的に変わる!「営業の型」を浸透させる4つの戦略

では、どうすれば「営業の型」が組織に馴染み、売上に直結するようになるのでしょうか。ここでは、私がコンサルティングの現場で実践している、4つの具体的なステップをお伝えします。

ステップ1:「型」の定義を「最低限の基準」に変える

型とはマニュアルではなく、「これさえクリアすれば合格」という土台です。営業の型を、自由を奪う「鎖」ではなく、個性を活かすための「土台」だと捉え直してください。

スポーツで言えば、基礎体力やルールのようなものです。ルールを守った上でなら、どんなプレースタイルでも自由。そう定義することで、優秀な社員も「これなら納得できる」と受け入れやすくなります。

「最低限、これだけはやってほしい」というポイントを3つだけに絞ってみましょう。

ステップ2:型と「KPI(成果の指標)」を連動させる

型ができた結果、どの数字が良くなるのかを明確にします。

ただ「BANTを聞け」と言うのではなく、「BANTを聞けたら、商談が次の段階(フェーズ)に進むはずだ」と定義します。

例えば、現在の商談が「初回訪問」から「見積提示」に進む確率が低いなら、その間の「型」を見直します。「この情報を引き出せたら、次の段階へ進んだとみなす」という基準を作るのです。

「型」を実行することで、どの数字(例:次回アポイント率など)を上げたいのかを1つ決めましょう。

ステップ3:ハイパフォーマーの「個性」を認める

基準を超えている人には、自分なりのやり方を許可します。

売れる営業担当者は、独自の感性を持っています。会社が決めた「型」という基準をしっかりクリアし、安定して受注を取ってきているのであれば、それ以上の細かいやり方は本人に任せてOKです。

「型を守っていない」と責めるのではなく、「基準を超えているから、君のやり方は素晴らしい」と認めることで、組織全体のモチベーションが上がります。

成績の良い社員に「会社が決めた基準の中で、君が一番大切にしている工夫は何か?」と聞いてみましょう。

ステップ4:現場の声を聞いて、型を「チューニング」する

型は「作って終わり」ではなく、常に使いやすく修正し続けます。

「型」を導入しても数字が上がらない場合は、その「型」自体が今の時代に合っていない可能性があります。

「この項目は聞きにくい」「この順番だと話が止まってしまう」といった現場の違和感を大切にしてください。 経営者やマネジャーが現場と一緒に型を微調整(チューニング)し続けることで、初めて「生きた武器」になります。

営業会議で「今のマニュアルで、一番やりにくい部分はどこか?」と正直に意見を求めてみてください。

まずは「1つの項目」のチェックから

「営業の型」を浸透させるのは、一見難しそうに見えます。でも、やるべきことは意外とシンプルです。

まずは、今あるマニュアルや管理シートを開いてみてください。そして、その中にある1つの項目について、こう問いかけてみてください。 「この項目を埋めることは、本当にお客様のためになり、契約に近づいているだろうか?」

もし、ただの「事務作業」になっていると感じたら、それが改善のスタートラインです。たった1つの項目を「成果に繋がる形」に変えるだけで、営業現場の空気はガラリと変わります。

本気で「勝てる営業組織」を作りたい経営者様へ

あなたの会社の営業チームは、全員が同じ方向を向き、自信を持ってお客様の前に立てているでしょうか? 正しい「型」があれば、新人でも短期間で戦力になり、ベテランはさらに自由にその能力を発揮できるようになります。

「営業の型」を正しく作り、浸透させることは、単なる売上アップの手段ではありません。それは、社員が誇りを持って働き、お客様に最高の価値を届け、会社が安定して成長し続けるための「仕組み」を作ることなのです。

もし、

  • 営業の属人化(特定の人しか売れないこと)から脱却したい
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トレテク代表 久保埜 実(くぼの みのる)
セールスパーソン戦力化コンサルタント
【著者プロフィール】

医療系企業の営業職として従事しながら、“セールスパーソン戦力化コンサルタント”として、東京都八王子市と日野市を中心に事業を展開。
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特に、商談やプレゼンテーションという交渉の改善に重点を置く。

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