「怒れない上司」が営業チームの売上を下げている理由

「メンバーを怒ったら、関係が悪くなるんじゃないか…」

「パワハラと言われたら困るし…」

こんな思いから、メンバーに対して言いたいことを飲み込んでしまう。そんな経験はありませんか?営業の現場で、明らかにミスをしているメンバーがいても、怒れない。指摘できない。その結果、同じミスが繰り返され、受注機会を逃し、売上が伸びない…。

この記事は、メンバーへの指導に悩む営業マネジャー、そして営業組織の業績を高めたい経営者の方々のために書きました。

この記事を読めば、なぜ「怒らない」ことが組織の成長を妨げるのか、そして、相手を成長させる「上手な怒り方」の本質が分かります。そして明日から、メンバーに響く指導ができるようになり、確実に契約につながる強い営業チームを作ることができます。

目次

「怒れない上司」が増えている現実

大事な商談で基本的な準備を怠ったメンバー。お客様から信頼を失い、受注を逃したのに、上司は「次は気をつけてね」と軽く注意するだけ。同じミスが繰り返され、売上が伸びない。

こうした「怒れない上司」が増えているのが今の営業組織の現実です。そして、その代償として、組織の成長が止まり、売上が伸び悩んでいるのです。

「上手に怒る力」が組織を強くする

まず、結論から言います。

「上手に怒る力」は、営業組織を強くする上で欠かせないスキルです。

怒ることを避けてはいけません。むしろ、正しく怒ることで、メンバーは成長し、営業チーム全体の受注率が上がり、売上が伸びていくのです。

では、「上手に怒る」とはどういうことなのでしょうか。それを、これから詳しく解説していきます。

「下手な怒り方」と「上手な怒り方」の決定的な違い

怒り方が下手な上司は、感情的に爆発して相手を萎縮させるだけです。営業会議で「なんでこんなこともできないんだ!」と怒鳴っても、メンバーは心の中で「また始まった…」と思うだけ。裏では軽く見られています。

一方で、怒り方が上手な人は、相手の心に深く響かせる力を持っています。怒られたメンバーは、後々まで教訓として心に留め、同じミスを繰り返しません。この違いは、どこから生まれるのでしょうか?

上手な怒り方の3つの要素

上手に怒るためには、3つの重要な要素があります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

要素1:「腹落ち」させる力を持つ

なぜ怒っているのかを、相手に納得させる力が必要です。

感情的に怒鳴るだけでは、相手は「怒られた」という事実しか残りません。「なぜダメなのか」を論理的に説明できれば、相手は腹の底から納得します。

たとえば、商談準備を怠ったメンバーに「今回の準備不足で3つの問題が起きた。お客様の信頼を失った、競合に負ける可能性が高まった、チーム全体の評価が下がった。だから大きな問題なんだ」ということを相手の理解度に合わせて説明すれば、メンバーは重大さを理解し、二度と繰り返しません。

次に叱る時は、「なぜこれが問題なのか」を、相手の理解度に合わせて叱ってみましょう。そこにはある程度の怒りの感情が乗ってしまっても、許容されます(限度はあるので注意してください)。

要素2:普段から「自分の軸」を示している

怒りの効果は、普段の言動の積み重ねで決まります。

いきなり怒っても「なんで急に?」と思われるだけです。普段から「自分はこう考えている」という軸を示していれば、いざという時の怒りに説得力が生まれます。

普段から「お客様との約束は絶対に守る」という軸を示している上司なら、メンバーが約束を破った時に怒れば、すぐに「あの時言ってたことだ」と理解されます。怒りは「その場の感情」ではなく、「普段の積み重ねの延長」なのです。

今週中に、1対1の面談で「自分が大切にしている営業の価値観」を1つ伝えましょう。ここでは、伝えた価値観を自分がとても大切にしているということが、メンバーに理解されることが大事です。

要素3:一貫性を持って接する

気分で怒ったり怒らなかったりしてはいけません。

一貫性のない怒り方はメンバーを混乱させます。「昨日は怒られなかったのに、今日は怒られた」となると、信頼を失います。

営業組織なら、「お客様への嘘は許さない」「報連相を怠ることは許さない」「責任転嫁は許さない」などです。このラインを明確にし、超えた時にはしっかり怒る。一貫性があれば、メンバーは「この上司は信頼できる」と感じ、言葉に重みが生まれます。

「これだけは絶対に許さない」というラインを3つ決めて、メンバーに明確に伝えましょう。

よくある「怒り」にまつわる誤解

「メンバーに期待しなければ怒ることもない」という考え方がありますが、これは間違いです。期待するからこそ成長を促せます。期待しないのは諦めること。経営者として、マネジャーとして、メンバーに期待し、ダメな時には怒る。これが正しい姿勢です。

また「普段怒らない人が怒ると効果的」という意見もありますが、これも本質と違います。怒りの効果は「普段の言動に一貫性があるから」生まれるのです。普段何も言わず、いきなり怒っても響きません。

具体例:営業現場での違い

メンバーが重要な商談で競合に負けた時、下手な上司は「なんで落とすんだ!売上目標が達成できないじゃないか!」と怒鳴るだけ。メンバーは萎縮し、次にどう改善すべきか分かりません。

上手な上司は違います。「競合に負けたね。悔しいよな。でも、なぜ負けたのか一緒に考えよう」と言い、お客様が重視していたポイントと自社の提案のズレを具体的に振り返ります。

そして「次はお客様のニーズを最初の10分で確認しよう」と改善策を示します。これなら、メンバーは成長し、受注率が上がるのです。

まずは「叱るべきライン」を決めてみよう

ここまで読んで、何か気づきを得られたでしょうか?

営業組織を強くするには、「上手に怒る力」が欠かせません。怒ることを避けるのではなく、正しく怒ることで、メンバーは成長し、受注率が上がります。

まずは小さな一歩から。今週中に「これだけは絶対に許さない」というラインを3つ決めて、メンバーに伝えてください。たとえば「お客様への約束は必ず守る」「商談前の準備は必ずする」「チームへの報告は当日中にする」など。

そのラインを超えたメンバーがいたら、しっかりと叱り、なぜダメなのかを論理的に説明する。たったこれだけで、メンバーの意識が変わり、営業チーム全体が引き締まり、受注率が上がっていくのです。

営業組織を強くしたい経営者の方へ

あなたの会社の営業マネジャーは、メンバーを正しく叱ることができているでしょうか?

多くの営業組織では、マネジャーが「怒れない」ことで、メンバーの成長が止まっています。その結果、同じミスが繰り返され、受注機会を逃し、売上が伸び悩んでいます。

しかし、「上手に怒る力」を身につければ、メンバーは確実に成長します。営業チーム全体の受注率が上がり、売上が伸びていきます。そして、お客様から信頼される強い営業組織が作れるのです。

もし、

  • 営業チーム全体の指導力を高め、売上を最大化したい…
  • メンバーが自発的に動く、強い営業組織を作りたい…
  • 「怒る」「叱る」という行為を、メンバーの成長につなげたい…

と、本気でお考えの経営者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。

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あなたの、そして貴社の営業組織が、メンバー一人ひとりが成長し、お客様から心から信頼され、選ばれ続ける存在になるためのお手伝いができることを、楽しみにしています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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トレテク代表 久保埜 実(くぼの みのる)
セールスパーソン戦力化コンサルタント
【著者プロフィール】

医療系企業の営業職として従事しながら、“セールスパーソン戦力化コンサルタント”として、東京都八王子市と日野市を中心に事業を展開。
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