コンペで勝つ営業が実践する「お客様とのズレ」を防ぐ技術

「渾身の提案を出したのに、お客様の反応がイマイチだった…」
「予算より大幅に高い見積もりだと言われて、受注を逃した…」
「こちらの提案内容が、お客様の要望とズレていると指摘された…」
営業の現場で、コンペ(競合との提案競争)に臨む際、このような経験をしたことはありませんか?一生懸命考えた提案が、お客様の期待と合わず、受注を逃してしまう。悔しい思いをしている営業担当者は多いのではないでしょうか。
この記事は、そんなコンペでの「お客様とのズレ」に悩む営業担当者、そして営業組織の受注率を高めたい経営者やマネジャーの方々のために書きました。
この記事を読めば、なぜお客様とのズレが生まれるのか、その本質的な原因が分かります。そして、コンペでお客様との期待ギャップを最小化し、受注確率を高める具体的な方法が手に入ります。
コンペで最も多いお客様の悩みとは?
まず、データから見ていきましょう。
購買者2,676人への調査を行ったところ、「ベンダー比較」という購買プロセスの段階で、お客様が最も多く抱える悩みのトップ3は、以下のようになりました。
第1位:予算より大幅に高い
第2位:提案内容が、こちらの要望とズレている
第3位:(その他の期待ギャップ)
いずれも、提案する企業に対する、お客様の期待ギャップです。
多くの営業担当者は、全く悪意なく、お客様のためになるべく良い提案をしたいと思って、頑張って提案を考えます。
しかし、気をつけなければいけないのは、お客様の期待がどこにあるかということです。
お客様の期待を捉えないで、営業として「これが良い」と思って提案しても、お客様からすると「そんなのいらないよ」ということが起こってしまうのです。

コンペでは「状況が刻々と変わる」という事実
では、どうしたら良いのでしょうか?
まず、比較のシーンを、もう少し詳しく、つぶさに見ていきましょう。
お客様は、各社から提案をもらい、各社とコミュニケーションを取るごとに、状況が変動します。
お客様の中では、細かに順位がちょこちょこ動きますし、あるいは、1社から受けた提案によって、お客様の判断軸が大きく変わるということもあります。
つまり、「一か八かで、思い切った案をぶつける」というやり方だと、ズレる確率が高くなるのです。
なぜなら、提案依頼を受けて「提案してください」と言われた時とは、状況が刻々と変わっていくからです。
各社が提案を出していく中において、お客様の考えも変わっていったりするということがあります。
コンペの場面では「複数回提案」が鍵
ですから、コンペの場面においては、複数回提案、つまり、繰り返しお客様に対してしっかりと合わせていく方が、受注確率が上がるのです。
もちろん、入札などで一発で提案を出さなくてはいけない場合は別ですが、そうでなければ、最低限繰り返してお客様に対して合わせていくということが重要です。

営業が悩む問題:シャットアウトされてしまう
ただし、ここで営業が悩ましいのが、「どうやったらその状況に持ち込めるか」ということです。
そういう展開に持ち込もうと思っても、「ご提案ありがとうございます。では、一旦持ち帰って検討して、また連絡します」というふうに、シャットアウトされてしまったら、元も子もないですよね。
どうしたらシャットアウトされないのでしょうか?
解決策:「最初の提案を出すまでのスピード」を上げる
ここに対して、明確な答えを出したいと思います。
それは、最初の提案を出すまでのスピードを上げるということです。
最初の提案を出すにあたって、多くの営業は、「完成度」と「スピード」のトレードオフで悩むと思います。
当然、じっくり考えて提案すれば、提案の中身の質が上がります。一方で、スピードも求められている。どちらを優先するかということですよね。
私は、初回の提案に関しては、スピードを優先すべきだと考えています。
ただし、「なんでこれが大事なのか」ということと、「最低限クリアするべき基準」というのは、さすがにあるので、この2つの話をしたいと思います。
最低限クリアすべき基準:要件整理シート
まず、最低限クリアすべき基準の方から説明します。
お客様のニーズや課題、提案にあたっての要望を、ちゃんと理解していますよということを、まず最低限示さないといけません。
では、これはどうしたら良いのか?
ここで役立つのは、要件整理の考え方です。要件整理とは、簡単に言えば、1枚のシートを作るということです。
要件整理について詳しく知りたいという方は、お問い合わせいただければ、ホワイトペーパーと簡単な解説をお送りいたします。
この要件整理シートを1枚作れば、お客様のニーズや期待、要望をちゃんと踏まえていますよということが分かるわけです。
なぜスピードが重要なのか:お客様の心理を理解する
次に、なぜスピードが重要なのか、という話です。
お客様がなぜシャットアウトするのか、その心理を考えていくと、シャットアウトした方が良いと考えるからです。当たり前ですが。
では、どういう時にシャットアウトしたくなるかというと、こちら側からフィードバックやリクエストをしても、より良いものが来ると思えない場合に、シャットアウトしたくなります。
ということは、裏を返すと、お客様から何かフィードバックなり要望なりを返すと、それに対して、もっと良いものが来るということを分かっていただくことが、すごく大事なんですよね。
「打てば響く」関係を作る
一言で言うと、レスポンスのスピードということになります。
お客様から、ご要望やご質問が来た時、パッと打ち返す。これが早いと、「ああ、この営業はリアクションが良いな」となるわけです。
そうすると、何か不満があれば、それを営業に伝えた方が、お客様は得をする、ということになります。
「伝えた方が、お客様が得をする」という状況を作ることが、最大のポイントです。
もう一度言います。お客様がフィードバックやリクエストを伝えた方が得をする、ということです。
そのためには、「打てば響く」ということで、レスポンスを可能な限り早くすることによって、「ああ、この営業はスピードがあるんだ」というふうに見てもらう必要があるわけです。
じっくり型営業の落とし穴
もちろん、じっくりと良い内容を出してくる営業も、たくさんいます。
ただし、お客様が何かフィードバックやリクエストをしたとしても、「いや、どうせこの営業の人って、じっくり考えて提案を出してくるんでしょ」と思ったら、お客様は「だいたい、今回が最後の提案なのでしょう」と思う方が、自然な思考回路ということになります。
ですから、まず「この営業はスピードがあるんだ」というふうに思っていただくことが大事だから、最初の提案を出すスピードを意識した方が良いということです。
コンペで勝つための2つの鉄則
ここまでの話をまとめると、コンペでお客様とのズレを減らし、受注確率を上げるための鉄則は、以下の2つになります。
鉄則1:要件整理シートで「理解している」ことを示す
最低限クリアすべき基準として、お客様のニーズ、課題、要望をちゃんと理解していますよということを、要件整理シート1枚で示す。
これにより、お客様は「この営業は、うちのことを分かっている」と感じます。
鉄則2:初回提案のスピードを上げて「打てば響く」関係を作る
初回の提案は、完成度よりもスピードを優先する。
レスポンスの速さで、「この営業に伝えれば、すぐにより良い提案が返ってくる」という信頼関係を築く。
これにより、お客様はシャットアウトせず、フィードバックを返してくれるようになります。そして、複数回の提案を重ねることで、お客様との期待ギャップを最小化し、受注につなげることができるのです。

具体的な実践ステップ
では、具体的にどう実践すれば良いのでしょうか?以下のステップで進めてみてください。
ステップ1:提案依頼を受けたら、24時間以内に要件整理シートを送る
お客様から提案依頼を受けたら、まず24時間以内に、要件整理シートを作成して送ります。
この時点では、完璧な提案内容は必要ありません。「お客様の要望を、このように理解しましたが、合っていますか?」という確認のためのシートです。
ステップ2:お客様からのフィードバックに、即座に対応する
お客様から修正や追加の要望が来たら、可能な限り早く(できれば当日中、遅くとも翌日中に)対応します。
「承知しました。この部分を修正して、明日中に再提出いたします」というように、明確な期限を示すことも重要です。
ステップ3:初回提案は「たたき台」として提出する
初回の提案は、100点満点を目指すのではなく、70点の「たたき台」として提出します。
「お客様のご要望を踏まえて、まず初回の提案をお送りします。ぜひ忌憚のないフィードバックをいただければ、すぐに修正いたします」
このように伝えることで、お客様は気軽にフィードバックを返せるようになります。
ステップ4:フィードバックを受けて、素早く改善提案を出す
お客様からフィードバックを受けたら、48時間以内に改善した提案を出します。
この「打てば響く」関係を2〜3回繰り返すことで、お客様との信頼関係が深まり、競合との差別化ができます。

まずは「要件整理シート」を作ってみよう
この記事を読んで、何か気づきを得られたでしょうか?
コンペでお客様とのズレを減らすためには、完璧な提案を一発で出すのではなく、スピード感を持って複数回の提案を重ねることが重要です。
とはいえ、いきなり全てを変えるのは難しいかもしれません。でしたら、まずは小さな一歩から始めてみませんか?
次に提案依頼を受けたら、まず「要件整理シート」を1枚作ってみてください。
お客様のニーズ、課題、要望を箇条書きで整理し、「このように理解しましたが、合っていますか?」と確認する。たったこれだけで、お客様の反応が変わり始めます。
そして、お客様からのフィードバックに素早く対応する。この繰り返しが、コンペでの受注確率を大きく高めるのです。
コンペでの勝率を上げたい経営者の方へ
あなたの会社の営業担当者は、コンペでどれくらいの勝率を上げているでしょうか?
多くの営業組織では、メンバーが一生懸命考えた提案が、お客様の期待とズレてしまい、受注を逃しています。その原因は、完成度を追求するあまり、スピードを犠牲にし、お客様とのすり合わせの機会を失っているからです。
しかし、要件整理とスピード重視の提案プロセスを確立すれば、コンペでの勝率は大きく上がります。お客様との期待ギャップを最小化し、確実に受注につなげることができるのです。
もし、
- コンペでの勝率を高め、売上を最大化したい…
- お客様とのズレを防ぎ、確実に受注できる営業を育てたい…
- 提案プロセスを見直し、営業組織の受注力を強化したい…
と、本気でお考えの経営者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。
トレテクでは、単なる提案書の作り方ではなく、お客様との期待ギャップを最小化し、確実に受注につなげる本質的な営業力の強化を支援しています。それが最終的に、貴社の安定的な売上成長と、確実な契約獲得につながることをお約束します。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
